2 積分保存則からの導出
まずは、通常良く見られる、
(1) の積分保存則からの導出を行う。
管内の気体は、本来は の関数であり、速度も 3 次元ベクトルであるが、
ここでは流れはほぼ 方向への 1 次元的な運動であり、
, も断面に関しては一様な のみの関数であるとする。
管内部の での 軸に垂直な断面 ( 平面の領域) を とし、
管の の範囲での内部 (3 次元領域) を 、
での管の壁 ( の側面側の境界の 2 次元曲面を と
書くことにする。
このとき、
となる。
なお、
は の境界を意味することとする。
内部の気体の質量は、 幅での微小体積 と
密度 の積の積分によって得られるので、
(2)
と表される。
では気体は単位時間当たりに だけ右へ移動するので、
での気体の単位時間当たりの右方向への移動質量は
となる。 での質量 (2) の単位時間当たりの
変化は、 の端 , からの流入量に等しいので、
(3)
が成り立ち、この右辺は、
と変形できるので、結局
(4)
が成り立つことになる。
(4) の式の , の
任意性により、被積分関数は恒等的に 0 であることになり、
よって (1) の最初の式が得られることになる。
次は、(1) の 2 本目。
内部の気体の運動量 ( 方向) は、
質量 と速度 の積の積分なので、
となる。
運動量の単位時間当たりの変化は、, からの流入量と、
外部から に加えられる力
の 成分の和となるので、
(5)
が成り立つ。
ここで、
は、端 , で圧力が内部を押す力の総和と、
壁 で 内の空気が壁を押す力の反作用の総和に等しいので、
の境界
上の点における、 に関して
外向きの単位法線ベクトルを
とすれば、
と書ける。発散定理により、
となるので、(5) から
となり、
よって , の任意性より (1) の 2 本目が得られる。
最後に (1) の 3 本目。
内部の気体のエネルギー総量は、質量 と
単位質量当たりのエネルギー との積の積分なので、
と表される。エネルギーの単位時間当たりの変化は、
端 , からの流入量と、端で圧力 がする仕事の和になる。
管の壁 は固定壁なのでそこでの仕事はない。
よって、
となる。よって、
となり、, の任意性より、(1) の 3 本目の式が
得られる。
竹野茂治@新潟工科大学
2022-01-11