を実数 の小数部分 () とするとき、 任意の無理数 に対し、
「稠密」とは 内に有理数のように隙間なく埋まる、
ということであり、言いかえれば、 なる任意の実数 に対して、
この補題 1 は、「クロネッカーの稠密定理」 (Kronecker's density theorem) と呼ばれることもあるようだが、 古い数学辞典 [1](187 H.) では Jacobi の名前がついていて、 クロネッカーが証明したのはこの補題の多次元版のものらしい ([2] 202 E.)。 証明は省略するが、例えば [3] など、 インターネットで「クロネッカーの稠密定理」で検索すれば いくつか証明が見つかるだろう。
この補題を用いると、次のことが示される。
が連続な周期関数で、周期 , を持つ、すなわち すべての に対して
を満たすとき、 が無理数ならば、 は定数である。
証明
と仮定して構わない。 となる任意の に対して、 となることを示せばよい。 補題 1 により、
となる整数列 , が存在することになる。 このとき、
竹野茂治@新潟工科大学