3 座標軸をとりかえた成分計算による証明
次に、[1], [4] で行われている、
ほぼ成分計算ではあるが、座標軸のとりかえによる
やや易しい計算による証明を紹介する。
証明 2
の場合には (1) の両辺がともに
となって成立するから、
の場合を考える。
今、
(
方向の単位ベクトル) とし、
,
が含まれる平面上で
に垂直な単位ベクトルを
とする (
,
が平行な場合は、
に垂直な任意の単位ベクトルとする) と、
のように表すことができる。
さらに、
とすると、
,
,
は右手系の互いに直交する単位ベクトルとなる。
これを使って
と表すと、
となるので、(1) の左辺は
|
(4) |
となる。一方、
となるので、(1) の右辺は、
となり (4) に等しくなるので、
(1) の両辺が一致することになる。
この証明は、2 節の成分計算に比べて多少計算は楽であり、
また多少幾何学的な考察が含まれてはいるが、
やはり (1) の両辺の確認をしているだけである。
(4) の右辺から (1) の右辺を導くことは
以下のようにすればできなくはない。
しかし、最後の等号の部分は (1) の右辺を知らなければ
このようになると見抜くことは難しく、
なぜ (1) の右辺の形が導かれるのかという説明には
あまりなっていないように思う。
竹野茂治@新潟工科大学
2009年5月21日