3 パラメータ変換による変形
本節では (1) の式を変形して、
それが 2 節で紹介した
内サイクロイドになるかどうかを考えてみる。
今、
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(10) |
とすると、(3) より
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(11) |
となる。(10) より
であるから、
となるので、
となることがわかる。
(10) より
,
なので、
よって
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(12) |
が得られる。同様にして、
より
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(13) |
が得られる。
さて、(12), (13) と
(1), (11) により、
となり、結局
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(14) |
が得られる。同様に は、
より、
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(15) |
と変形できる。
に対して
であり、よって
であるから、
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(16) |
とすると、その範囲は
となる。また、
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(17) |
とすると、 より で、
となるので、これらにより (14), (15) は
と書け、これは確かに (9) に一致する。
なお、これは (1) の
の
部分であるが、もう半分の
の方は、
(2) により、ここまでと全く同様にして得られる。
以上により、
均質な場合の地中最速降下線 (1), (2), (3) が、
確かに内サイクロイドに等しいことが確かめられたことになる。
そして、その小円の半径と大円の半径の比である は、
(17) より出発点と終点とが作る中心角 と、
との比に等しいこともわかったことになる。
これは実際に 2 点が与えられたときに
内サイクロイドを用いて具体的な解を求めるのに役に立つだろう。
竹野茂治@新潟工科大学
2017年8月2日