3 逆関数

(1) より $f(x)$ は増加関数なので、 $y=f(x)$ の逆関数 $x=p(y)$ が存在する。 $f(0)=0$, $f(L)=H$ より、$p(0)=0$, $p(H)=L$ で、
\begin{displaymath}
p'(y) = \frac{dx}{dy} = \frac{1}{\displaystyle \frac{dy}{dx}} = \frac{1}{f'(x)} > 0\end{displaymath} (3)

となる。$x=p(y)$ により (2) を $y$ の積分に置換すると、
\begin{displaymath}
T
= \frac{1}{\sqrt{2g}}\int_0^{f(\alpha)}
\sqrt{\frac{1+(1/...
...}\int_0^{f(\alpha)}
\sqrt{\frac{1+(p'(y))^2}{f(\alpha)-y}}\,dy
\end{displaymath}

となるので、 $f(\alpha)=\beta$ とすれば、 元の問題は $0<\beta<H$ の任意の $\beta$ に対して、
\begin{displaymath}
T = \frac{1}{\sqrt{2g}}\int_0^{\beta}
\sqrt{\frac{1+(p'(y))^2}{\beta-y}}\,dy\end{displaymath} (4)

が定数となる $p(y)$ を求めることになる。 (4) で $G(y) = \sqrt{1+(p'(y))^2}$ とすると、この式は
\begin{displaymath}
\int_0^{\beta}\frac{G(y)}{\sqrt{\beta-y}}\,dy = \sqrt{2g}\,T\end{displaymath} (5)

となる (右辺は $\beta$ によらない定数)。 この積分方程式 (5) から $G(y)$ を求められれば、 そこから $p'(y)$ が、そして $p(y)$ が求まることになる。

竹野茂治@新潟工科大学
2017年3月22日