2 月毎の曜日のずれ

その先生は、よく
「何月と何月のカレンダー (曜日の並び) は必ず同じになる」
と口にしておられた。

各月の初日の曜日は 12 個あるが、曜日は 7 通りしかなく、 確かにそのうちのいくつかは同じものになるペアが 必ず存在することになり、 そのような月のペアに対しては、 それが 30 日までか 31 日までかの違いはあるかもしれないが、 日と曜日の対応で言えば、確かに同じカレンダーになることになる。 しかも、その間に 2 月が含まれていなければ、 そのペアはどの年でも変わらずペアになることになる。

ここでは、まずどの月とどの月が そのようなペアになるのかを考えてみるとにする。 それには、どこかの日を基準にして (例えば日曜であるとして) 考えればよいが、 1 月 1 日を基準に考えると、 閏年の場合は 3 月以降の曜日がすべて 1 つずつずれてしまうことになるので、 3 月 1 日を基準に考えることにする。

また、曜日を数字で、

日 = 0、月 = 1、火 = 2、水 = 3、木 = 4、金 = 5、土 = 6
とあらわし、3 月 1 日が日曜日 (=0) であるとして考える。

まず、各月の日数は表 1 のようになっている。

表 1: 各月の日数
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
日数 31 28/29 31 30 31 30 31 31 30 31 30 31


2 月は閏年ならば 29 日となる。

3 月は 31 日あるが、7 日おき、すなわち 3/1, 3/8, 3/15, 3/22, 3/29 が 同じ曜日となるので、3/1 が日曜 (=0) ならば、3/29 も日曜 (=0) となる。 4/1 はそこから 3 日ずれているので 0+3、すなわち水曜であることになる。

これは、次のように考えてもよい。 4/1 は 3/1 の 31 日後 (= 3 月の日数) であり、 よって曜日も 31 だけ進む。しかし、曜日は 7 つごとに 0 に戻るので、 7 を何回か引いたものと同じになり、 よってそれは「7 で割った余り」に等しくなる。

結局、4/1 は 31 ÷ 7 の余り = 3 だけ 3/1 から 4/1 へは曜日は進むことになる。

同じように考えれば、31 日ある月の次の 1 日目は、 常に前の月の曜日から 3 進むことになり、 30 日ある月の次の 1 日目は 2 進むことになる。

このように考えると、 その月の 1 日目と前の月の 1 日目のずれは、前の月の日数によって決定するので、 各月の 1 日目の曜日は表 2 のようになる。

表 2: 3 月から 12 月の 1 日目の曜日
3 4 5 6 7 8 9 10 11 12    
先月の日数   31 30 31 30 31 31 30 31 30    
先月とのずれ 0 +3 +2 +3 +2 +3 +3 +2 +3 +2    
1 日の曜日 0 3 5 1 3 6 2 4 0 2    


1 月と 2 月は 3 月から逆算しないといけないが、 これは閏年かどうかで変わる。 以後、閏年でない年を平年と呼ぶことにするが、 平年ならば 2 月は 28 日あるので、 3 月 1 日から 28 日戻すと 2 月 1 日となるが、 この 28 は 7 で割り切れるので、3 月 1 日と 2 月 1 日は同じ日曜日となり、 閏年ならば、2 月は 29 日なので、さらに 1 日戻すことになるので、 2 月 1 日は 7 - 1 = 6 、すなわち土曜日となる。

これを表にすると表 3, 4 のようになる。

表 3: 平年の場合の 1,2 月
3 2 1
日数 31 28 31
次月とのずれ 0 -0 -3
曜日 0 0 4
表 4: 閏年の場合の 1,2 月
3 2 1
日数 31 28 31
次月とのずれ 0 -1 -3
曜日 0 6 3

これらの表を見ると、以下のような月の 1 日の曜日が ペアになっていることがわかる。

5 月 (5) と 6 月 (1) は、閏年であってもなくてもペアとなる月はない。 平年の場合は、8 月 (6) もペアがなく、 閏年の場合は 10 月 (4) もペアはない。

竹野茂治@新潟工科大学
2007年12月20日