まず、地球と太陽の距離 と地球の半径 r は、 理科年表 [1] によれば 2.35 x 104r くらいであり、 r なので、 r の項を無視して考え、その場合の太陽の位置を 、 回転の中心を と書くことにすると、
となる。
= - sinsin, = + R{cos(t + ) + sin(t + )} (10)
は、P を通り に平行な直線上にあり、 この直線は太陽の軌道面とは垂直になり、 とは角度 をなす。 この の位置は、 公転によって変化する sin の値とともにこの直線上を移動し、 例えば北半球 ( 0 < < /2 ) では、 は斜め上向きのベクトルになるから、 sin < 0 のときにその中心は地表平面より上に、 sin > 0 のときには地表平面より下にあり、 sin = 0 のときに P に一致する。 つまり、 sin < 0 の季節は昼の方が長く、 sin > 0 の季節は夜の方が長く、 sin = 0 のときが春分、秋分、ということになる。 よってこの春分、秋分は緯度 にはよらず、 のみで決定することがわかる。
一方太陽の軌道は、 と を通る平面に 平行な面上での円軌道であり、 すなわち回転軸が であるので、 これは緯度 の分だけ傾いた軌道を描く (図 7)。 太陽軌道面の傾きは季節 には関係なく、緯度によって決定する。
図 7 でいうと、 軌道 oa は地表に出ている部分が短く (冬)、 oc は地表に出ている部分が長い (夏)。 ob が春分、秋分のときを表している。 この春分、秋分のときは、太陽は真東から登り、真西に沈み、 最も高い方向は の方向に等しくなる。 円軌道面はそれぞれが平行なのであるが、 P から観測すると冬の太陽は小さい仰角、 夏の太陽は大きい仰角のところにあがることになる。
緯度による変化を考えると、 高緯度地域、例えば北極に向えば が /2 に近づくので、 は に近づく。 よって太陽軌道面は水平面 (地表平面) に近づくので 太陽は上には上がらず、横に転がるような運動となる。 その軌道面は季節によって上下に移動するので、 その転がる軌道面が 1 日中地表平面の上に出ている季節が「白夜」 となる1。
逆に赤道では、 = 0 であるから = 、 = となり、 軌道面は傾かずに , に平行な面となる。 この場合は、中心 は、常に 軸上にあるので、 春分に限らず毎日昼と夜の長さが等しいことになる。 つまり赤道では、春分、秋分は「昼と夜の長さが等しい」日ではなく、 むしろ「太陽が真東から登り、真上で最高点に達し、真西に沈む日」 ということになる。 逆に春分、秋分以外では太陽は真上までは登らないので、 赤道ではこの春分、秋分の時期が最も暑い真夏、 ということになりそうである。
実は太陽の軌道の半径
R =
も
季節
によって変化する。
R | = | = | |
= |
となるから、 R の季節による変化はそれほど大きいわけでもなさそうである。
R = = cos = cos 23.44o = 0.92
竹野茂治@新潟工科大学