3 節で述べたように、ポアソン分布 が、 1 時間の間にある事象が起きる回数の分布になっているとき、 その事象と次に起きた事象の間の時間 は、指数分布 に 従う。実は教科書はこの逆の形で書いてあるのであるが、 この形のものもどこかの本に書いてあった (図書館にあった本だと思うが、 どの本かは忘れてしまった)。
これについて講義では、その本に書いてあった、以下のような説明を行った。
に対して、時間間隔 が よりも大きい確率 は、 時間の間に 1 回も起こらない確率に等しい。 時間の間に起きる回数 は に従う (前節の結果) ので、
となり、よって
となる。ただ、この説明では若干 のところが 気になる。 むしろ、これは、次のように考えた方がわかりやすいような気がする。
最後にその事象が起きた時刻を 0 として、そこから 時間までの間 に 1 回でも起きれば、この 時間の間には少なくとも 1 回以上 起きることになるが、これは、最初の事象までの時間間隔で考えれば、 を意味し、一方起きる回数 で言えば を意味する。 よって、 となり、 これを 1 から引けば、 となる。あとは上の計算と同じである。 「最後にその事象が起きた時刻を 0」とすることで、 どこに起点を置いて考えるか、どの時間間隔を見るかが明確になって、 わかりやすくなるように思う。 そしてこれなら もある程度納得できると 思う。
竹野茂治@新潟工科大学