5 各点収束極限の厳密化
本節では、主に [1] の議論のあいまいさや評価に関する
修正を行う。
(14) の の条件は、
とも書けるが、
これは
と同値であることに注意する。
そして、各 に対して
を、
(19)
となるように取ると、
より、
(20)
だから、
のときに
となり、
また
だから、
[1] で
を代入して議論した代わりに
を代入し、 の代わりに を
用いれば は正しく整数となり、
[1] の議論が正当化できることになる。
それも本節で改めて紹介する。
本節では、 の
の極限を求める。
まず、スターリングの公式
(21)
より、ある 以上の に対しては、
とできることになるので、 に対して を
(22)
とすれば、 以下の も含め、すべての に対し、
(23)
となるような , を取ることができ、かつ
(24)
となることがわかる。
では
であるが、その に対して、
と書け、この後半部分を
(25)
とすると、
となるので、
(26)
とすると、 は
と書けるので、 とすると、
(27)
となる。これを、
と分け、さらに (), () を
(28)
と定める。ここで、
(29)
に注意すると、, は
と変形できるから、
(30)
となる。ここで、 は
(31)
とした。
のとき、
,
で、
この , の極限は より
不定形となるが、
で、, なので、ロピタルの定理より、
となるので、(30) より、
(32)
がわかる。また、
なので、
(33)
となり、結局これらを統合すれば、
(34)
が示されたことになる。
そしてこれが [1] のあいまいな点の修正にもなっている。
, の極限についても見ておく。
まずは
の保証を与えておく。
より
なので、 より を
(35)
を満たすよう大きくとると、(35) の 1 つ目の
不等式から
が得られ、2 つ目から
が得られるので、よって、
となる。これで
が得られる。
また、
であり、(35) の 3 つ目の不等式より
となるが、4 つ目の不等式より だから、
となり、よって (35) を満たす に対しては、
が保証されることになる。
(11), (19), (20) より
であり、
よって
となり、よって (20) より
となる。
また、
なので、よって
となる。 に関しては、(11) より
なので、
となり、よってこちらも
となることがわかる。よって、
の極限は
(36)
となる。
竹野茂治@新潟工科大学
2022-09-09