4 有限和の積分化
まずは、(3) にルベーグ収束定理を適用するために、
(3) の左辺の有限和の部分を、ある関数の積分の形に
変形する。
以後、実数全体の部分集合 の定義関数を と書く。すなわち、
(10)
と定義する。また、
を 以下の最大の整数、
を 以上の最小の整数
0 または 1) とするとき、 に対し
(11)
とすると、
または
であり、
は と同値で、
は と同値になるので、
(12)
と書ける。また、これらの和の の項を除外して、
からの和にするが、その場合 の項は、
なので、これは
のときに 0 に収束する。
その上で、この和の各項を、区間 上での
底辺 1 の長方形の面積と考えれば、
丁度ヒストグラムの面積と見ることができて、
のように積分化できる。そして
と置換すると、
この式は
(13)
と書ける。この被積分関数を と考える。
に注意し、 の項 も除外し、
であるから、 を
とすると
(15)
であり、また
のときに , を
とすれば、
(18)
となり、これで (3), (9) の左辺が
積分の形で表現され、ルベーグ収束定理が使える形となる。
竹野茂治@新潟工科大学
2022-09-09