講義に関して出た質問と回答をここに上げておくことにします。
アンケートに書かれてあったものは基本的に
アンケートのページ
に書きますが、そのうちこちらに移動するかも知れません。
(12/14 2005)
1.
q = AB×AC に垂直で A を通る平面は
B, C を通るのか
2.
4(3-x)-2/3 の不定積分は
12(3-x)1/3 + C ではないのか
3.
広義積分で、積分範囲を a+0 や b-0
とすることがいまいち理解できない
4.
広義積分で、その値が無限大になるという判断がわからない
5.
広義積分で、どちらから値に近づければいいのかわからない
6.
大学では「関数」は「函数」と書く方が一般的なのか
7.
小テストの点数を教えて欲しい/現在の小テストの点数で単位は取れるか
8.
二重積分の下の D はどういう意味か
9.
講義の説明が少し早い
10.
(x-1)-2 の不定積分の
(x-1)-1・(1/(-1))・(1/1) + C の (1/1) は何か
11.
体積の公式に出てくる断面積 S(x) はどうやって求めるのか
12.
2 曲線間の面積は負になったら符号を取って答えとしてよいか
13.
接平面はなぜ 1 次近似式として使えるのか
14.
合成関数の微分の u=4x-3y のとき、
ux=4 と書いてもよいか
15.
二重積分の積分領域 D は、
インテグラルの右下に書くのか、下に書くのか
16.
ホームページからダウンロードした PDF ファイルはどうやったら印刷できるか
Web 上ではベクトルを表記しにくいので、 AB は A から B へのベクトルだと思ってください。 A, B, C が三角形を作る場合を考えます。
この場合、q = AB×AC は AB と AC の外積ですから、 AB と AC の両方に垂直なベクトルで、 よって q は △ABC に垂直なベクトルになります。
3 次元では、△ABC に垂直なベクトルは、 A, B, C を通る平面にも垂直で、 そしてその方向は反対向きを除いて一つに決まります。
だから、q に垂直な平面は、
それは A, B, C に平行な平面になり、
それが A を通れば B, C も通る平面になります。
(05/09 2016)
12(3-x)1/3 の導関数は、 「12(3-x)-2/3×(1/3) = 4(3-x)-2/3」ではなく、 「12(3-x)-2/3×(1/3)×(-1) = -4(3-x)-2/3」です。 最後の (-1) は、合成関数の微分の「(3-x)' = -1」です。
一般に「F'(x)=f(x)」の場合「∫f(ax+b)dx = F(ax+b)/a + C」です。
今の場合、1/a = -1 です。
(05/09 2016)
講義で紹介した計算方法は、
そのようにすれば途中の計算で lim を使わなくて済む、
という工夫なのですが、
いやなら定義通りに計算しても構いません。
(04/24 2017)
その値が無限大になるか、有限な値であるかは、 もう広義積分とは関係ない、単なる極限の問題で、 第 2 週目の講義で一通り基本的な極限については説明してあります。
3 週目の復習問題の [1] 同様の極限の問題を、教科書で復習してみてください。
(04/24 2017)
[A] のタイプの広義積分は、 関数の値が無限になるところを避けるようにします。
左端、すなわち区間 [a,b] の a の方で f(x)
が無限になるなら、
積分範囲の下端 a の方を a+0 の極限にし、
右端、すなわち区間 [a,b] の b の方で f(x)
が無限になるなら、
積分範囲の上端 b の方を b-0 の極限にします。
無限大となる場所を避けるように極限にするわけです。
(04/24 2017)
説明については以下をご覧ください。
なお、大学の教科書も通常は「関数」としていて、
別に「函数」が一般的なわけではありません。
「関数」と書いてもらって結構です。
(05/15 2017)
まず、「点数を教えて」については、点数は通知していません。 小テストの点数を通知するとどういういいことがあるでしょうか。 むしろ、通知したことによって、 あと何点とればいいとか、何点取らないといけないからダメだとか、 点数のことばかりを考え、純粋に学問を学ぶという意識からはずれてしまう というデメリットしか思いつきません。 よって、小テストの点数は通知していませんが、 小テストは返却しているので、 だいたい何割くらいできているかは自分でもわかるはずです。 なお、小テストを返却しているのは、 自分の間違いを確認して、正しくはどうすればいいのかを知るためです。 そういうことをやらないと正しい知識が身につきません。
また、「現在の小テストの点数で単位は取れるか」は、 小テストと期末テストを何点と勘定するかは既に通知してありますから、 それと何割位できているかから自分で考えてみればいいと思いますが、 原理的に、1 回の小テストの点数から単位が取れるかどうかを判定はできません。
もし単位が取れる見込みがない場合はあきらめたい、 という理由なのだとしたら、 「基礎数理 III の内容を学ぶ意志を最初から持ってなくて 授業を聞かなくてもいい」ということでしょうから、 もう履習しなくてもいいんじゃないかと思います。
大学の授業は、皆さんが今後学ぶ学問を理解するための教養を身につける、 社会に出たときに使うための知識を身につける場で、 試験のためのものではありません。 試験のために「やらされている勉強」という姿勢からは早く抜け出すべきです。
以前はこの全く逆で、
「単位は取らなくていいので授業を聞くために出席させてもらっていいですか」
という学生がいたことがあります。
また、「自主ゼミ」といって、学生が自分達で
(あるいはアドバイザーとして教員にも入ってもらって)
勉強をする場を持つことも、多くの大学で良く行われています。
大学を有効に活用するとは、
むしろそういう方向なんだろうと思います。
(06/12 2017)
積分範囲 (積分領域) の名前です。
1 変数関数のように積分範囲が簡単には示せないので、
領域の名前で示すのです。
(06/12 2017)
今の講義のペースは、分量を減らしてかなりスピードを落としていますから、 せめてこれくらいにはついてきてもらいたいと思います。
なお、講義の説明を講義中にすべて理解しようと考えているのであれば、
それは大学の講義の正しい受講態度ではありません。
大学の講義は、
理解していなくてもどんどん進みます。
だから、とりあえずノートを取っておいて、
それを後で見て自分で勉強しなければいけないのです。
国の決まりでも、大学の単位は
1 つの講義に講義と同じ位勉強しなければいけないことになっています。
(cf. 「大学の講義について」)
(04/20 2018)
これは、Q.2. と同じで、 かっこの中身が一次式なので、 その一次の項の係数の逆数がつく、 というのを明示したものです。
なくても結果は同じなので書かなくてもいいのですが、
あえて明示すればそうなります。
(04/23 2018)
「どうやって求めるか」ではなく、 「S(x) が x の式で表されている場合は」 これで計算できる、という公式です。 だから S(x) がわからない立体についてはこの公式では求められません。
回転体は、S(x) が求まる一つの例になっています。
(04/23 2018)
2 つの曲線で囲まれた部分の面積を求める公式は、 上の曲線から下の曲線を引いて積分するのですが、 この質問は、 どちらが上かを考えずに一方から一方を引いて積分して、 答えが負になったらそのまま符号を取ったものを答とする、 というものですが、それでは満点はやれません。
その公式は、あくまで「上から下を引いて積分」という公式で、 その公式を理解していることにならないからです。 つまり、この公式を正しく使うためには、 両者の上下関係を正しく把握する必要がありますが、 上のやり方だとそれをさぼっていることになりますし、 公式を正しく理解していることになりません。
それに、ある x の範囲では f(x) の方が g(x) より上で、別な x の範囲では g(x) の方が f(x) より上、という場合もあります。 そういう面積を求めるためには、両者の上下関係を正しく把握する必要があります。
よって、適当に計算して符号を取る、という方法では満点はやれません。
(05/02 2018)
接平面がグラフに貼りつく平面だからです。 ということは、接点の近くで接平面はグラフに一番近い平面ですし、 逆に接点の近くでグラフに一番近い平面は接平面になります。
1 変数関数の場合、
関数 y = f(x) の x≒a (x = a の近く)
での 1 次近似式は、
x = a での接線の方程式 y = f'(a)(x-a)+f(a) になりますが、
それと同じ理屈です。
(05/07 2018)
この質問は、 例えば z=(4x-3y)3 の zx を求めるとき、u=4x-3y とおくと z=u3 となるので、 合成関数の微分を使えば、
zx = (u3)'(4x-3y)x = 3u2× 4 = 12(4x-3y)2となる、という計算の際の話だと思います。 私は確かに、黒板では上のように書いていますが、 その中の「(4x-3y)x」の部分を「ux」 と書いて、
zx = (u3)'ux = 3u2× 4 = 12(4x-3y)2として構わないか、というのがこの質問だと思います。
これは、どちらでも構いません。 「ux」と書くと、実際に微分する際に、 u はなんだったかなと前を見返す必要がありますが、 大差はありません。
なお、これが偏微分でなく、常微分の場合は少し別の問題があります。 例えば、y=(4x-3)3 の y' を求めるときに、 u=4x-3 とおくと y=u3 となるので、
y' = (u3)'(4x-3)' = 3u2× 4 = 12(4x-3)2となるのですが、この「(4x-3)'」を「u'」と書いてしまうと、
y' = (u3)'u' = 3u2× 4 = 12(4x-3)2となって、この u' の ' が、 x での微分を意味しているのか (その場合は u'=4)、 u での微分を意味しているのか (その場合は u'=1) の区別が本人以外にはつきにくくなります。
「(u3)'」の方は、 u の式がかっこ内にあるので u での微分だなとわかりますが、 そのすぐ隣にそれとは別の「x」での微分を意味する u' が書かれるとかなり紛らわしいでしょう。 よって、常微分 (1 変数の微分) の場合は、「u'」でなく 「(4x-3)'」と書いた方がいいでしょう。
それに対して偏微分の場合は、' ではなく、
何で微分しているのかが右下に書かれてわかりますので、
ux でも (4x-3y)x
でもどちらでも結構です。
(05/28 2018)
どちらでも結構です。
(06/04 2018)
私は iPad のことは良く知らないので
iPad でどう印刷できるのかはわかりませんが、
計算機実習室の PC を使ってそこでダウンロードすれば
多分そこで印刷できるでしょう。
(09/13 2018)