3 おわりに

この証明も実は、(7) を示すには、 正確には帰納法を必要とするのであるが、 (7) はまさに 2 項定理による展開であり、 これが成り立つことはある程度自然に見えるので、 そう考えると、むしろこの (6) と (7) の 部分、すなわち、

\begin{displaymath}
(fg)^{(n)}(t)
= \left\{(D_x+D_y)^nf(x)g(y)\right\}(t,t)
= \...
...egin{array}{c} n \\ k \end{array}\right)f^{(k)}(t)g^{(n-k)}(t)
\end{displaymath}

という変形が、(1) と (2) が 似た形になる理由であると説明できるように思える。

このような説明は、もちろん偏微分を説明した後にしか行えないが、 上のような意味でそれなりに意義のある説明ではないかと思う。

竹野茂治@新潟工科大学
2006年12月27日