1 はじめに

教科書でも紹介されている、高次導関数に対する積の微分の公式である ライプニッツの公式
\begin{displaymath}
(fg)^{(n)}(t) = \sum_{k=0}^n \left(\begin{array}{c} n \\ k \end{array}\right) f^{(k)}(t) g^{(n-k)}(t)\end{displaymath} (1)

は、帰納法で証明されるのが普通だと思う1。 しかしそのような証明だと、この右辺がなぜ 2 項展開定理
\begin{displaymath}
(a+b)^n = \sum_{k=0}^n \left(\begin{array}{c} n \\ k \end{array}\right)a^k b^{n-k}\end{displaymath} (2)

に似た形をしているのか、という理由はよくわからない。

よってここでは、ある意味で (1) と (2) が 似ていることの理由も説明するような偏微分 (と微分演算子) を用いた証明を 紹介する。

竹野茂治@新潟工科大学
2006年12月27日