6 最後に
本稿では、部分積分に関する 4 つの公式、方法を考察してきたが、
- 公式 4 はあまり意味がない
- 方法 3 は、公式は覚えなくてよいが手間がかかるし、
部分積分の有効性を教える (理解する) ことが難しいので、
使うとしても補助的なものだろう (例えば検算とか)
ということがわかった。
公式 1、公式 2 については、
- 覚えやすさでは公式 1 の方が上
- 計算しやすさでは公式 2 の方が上
であり、そのどちらかを取るかでどちらが良いかは変わってくるが、
- 公式 2 の方が記憶違いのミスは多い
- 公式 1 の方がクリアしないといけない壁は高い
ので、大学の講義では演習の時間が高校に比べて少ないことから、
大学で初めて部分積分を学ぶ学生にはむしろ公式 1 の方が適していると言えるだろう。
よって、しばらく講義では公式 2、公式 1 の併用 (方法 3 は余談としてプリントででも紹介するかも) することになるだろう。
そして、公式 2 の覚え方を何とか工夫できれば、
ほとんどの本で見ることのない公式 2 にも大きな可能性があることも、今回改めて確認できた。
竹野茂治@新潟工科大学
2010年3月16日