とすると、この関数のグラフを 方向に 移動すると、 それは元のグラフを 方向に 倍したことに等しくなる (図 3)。すなわち、
が成り立つ。 ここから、 の での傾き は、 そのままグラフを 方向に 平行移動しても傾きは変わらず、 それが の での 方向の 倍のグラフに一致するので、 での傾きの 倍に等しいことになる。 すなわち、 が成り立ち、 よって一般に となる。なお、この式はグラフによらなくても (7) を で 微分して とすることでも得られる。
あとは、 だけ求めればよいのであるが、この値は によって 変動し、丁度 となるのが の場合であり、 それと (8) により公式 1 が成り立つことになる。
実際、(5) の左辺は の での 微分係数 の定義と同じ式であり、 つまり (5) は を示しているが、 それが導かれる経路を考えると、実は元々 という定数の定義は、 この が 1 となるような底であると見ることもできる。 つまり、「 に対し となる 」が の定義で、 その定義と公式 1 は (8) によりほぼ直結することになる。
さて、一般の に対する公式 3 も、グラフの拡大の考え方で、 この公式 1 から導いてみよう。 上と同じく , とする。 のグラフを 方向に () 倍すると、その関数は
の での傾き は、 そのグラフを 方向に 倍した のグラフでは、 での傾きに対応するが、 その傾きは の 倍となる。 すなわち、 となるので、公式 1 により
ちなみに、(4) の左辺も、 の での微分係数を意味していて、 そして対数関数の導関数が の定数倍であることも、 指数関数の場合と同様に得られる。 とすると、 このグラフを 方向に 下げると、 それは元のグラフの 方向の 倍に対応する。
竹野茂治@新潟工科大学