が回転行列の場合、 も同じだけ回転されるはずなので、 前節で述べた定理が成り立つのもそう考えれば当然のようにも思えるが、 普段線形代数では 次元で普遍的に成立する定理を扱うので、 あまり 3 次元特有の定理については考察をする機会は、 3 次元を扱っている幾何学者はそうでもないのかもしれないが、 少なくとも私にはほとんどない。
そのためか、このような事実を利用するという発想や、 2 つの一次独立なベクトルから外積を作って 一つ線形独立なベクトルを増やしたりすることが、 3 次元を対象とする工学分野らしい独特の手法でとても目新しく感じられて 興味深かった。
普段、抽象的すぎてあまり親しみの感じやすくない線形代数の講義の教材として 利用するのも面白いかも知れない。