next up previous
Next: この文書について... Up: 3 次元のアフィン行列を求める問題について Previous: 3 3 点から合同アフィン変換を決定 (PDF ファイル: system2.pdf)

4 最後に

前節で述べたような操作は、その分野では当り前のように使われている事実らしいが、 必ずしも自明ではなく、数学的に興味を持ったので少しまとめてみた。

$A$ が回転行列の場合、 $\mbox{\boldmath$x_1$}\times\mbox{\boldmath$x_2$}$ も同じだけ回転されるはずなので、 前節で述べた定理が成り立つのもそう考えれば当然のようにも思えるが、 普段線形代数では $n$ 次元で普遍的に成立する定理を扱うので、 あまり 3 次元特有の定理については考察をする機会は、 3 次元を扱っている幾何学者はそうでもないのかもしれないが、 少なくとも私にはほとんどない。

そのためか、このような事実を利用するという発想や、 2 つの一次独立なベクトルから外積を作って 一つ線形独立なベクトルを増やしたりすることが、 3 次元を対象とする工学分野らしい独特の手法でとても目新しく感じられて 興味深かった。

普段、抽象的すぎてあまり親しみの感じやすくない線形代数の講義の教材として 利用するのも面白いかも知れない。


next up previous
Next: この文書について... Up: 3 次元のアフィン行列を求める問題について Previous: 3 3 点から合同アフィン変換を決定
Shigeharu TAKENO
2004年 2月 26日