講義に関して出た質問と回答をここに上げておくことにします。
アンケートに書かれてあったものは基本的に
アンケートのページ
に書きますが、そのうちこちらに移動するかも知れません。
(06/02 2009)
それは、この講義の教科書からすると定義なので、 わからないと言われても困るのですが、 ただ、よく考えてみるとそういう質問が出る理由もありそうだったので、 それに対する回答のようなものを書いてみました。 以下を参照してください。
(06/02 2009)
最初の講義のときにもお話ししましたが、 この基礎数理 III は選択科目なので、 できるだけ本来の大学の講義の形にしたいと思っています。 よって、出席点はありません。 その理由については、 「なぜ出席を点数化しないのか」 (小テストのアンケートに対する回答 2006 年後期) も参照してください。
一応確認のために出席は取りますが、
それは成績とは一切関係ありません。
(06/02 2009)
これは教科書 p15 の (4.5) のことだと思いますが、 この部分は例年講義では説明していない内容ですが、 簡単に説明します。
となります。
一方、成分で内積を計算すれば、
となりますから、よって
2020 年度以降、講義の Web ページは Moodle が主になり、 そちらにその年度に受けた質問と回答を QandA のセクションに書きました。 それらをこちらに改めてまとめておきますが、 特に整理はしませんし、あくまで当時の回答なので、 以前のカリキュラムと内容が一部変わってしまって、 現在にはあてはまらない回答もあります。
(04/04 2025)1. 零ベクトルは 0 にスラッシュ (左上から右下への斜め線) を書けばいいですか。(2023-09-28)
→ それはだめです。工学のある分野では、 通常の 0 (スカラーの 0) を書くのにそういう書き方を使う場合があります。 だから、講義で板書しているように、0 に縦線を書いてください。 スラッシュはだめです。
2. B, b, F の左側に縦線を並べて書いてもベクトルと見ますか。(2023-09-28)
→ それでも結構です。ただ、あまり離れると、 1B (= 1×B) に見えてしまうので注意してください。
3. 縦線をアルファベットのどこに書くかはすべて覚えなければいけませんか。 (2023-09-28)
→ 基本的に左側に一本縦線を入れますが、 縦線らしいところが右側ならば右側でも結構です。 また、y や z のように縦線がない場合は、 斜め線に平行に斜め線を追加する形でも結構です。 とりあえず、縦線が入っていることを分かるように書けば結構です。
4. 復習問題の時間の欄に書くのは、かかった時間か残り時間か。(2023-10-06)
→ 自分がわかればいいので基本的にはどちらでもいいのですが、 1 回目と 2 回目の解答時間は違いますので、 かかった時間 (=解答時間-タイマー表示時間) を書くのが筋でしょう。
5. ベクトルを図示する問題は定規を使用した方がよいか。(2023-10-13)
→ 使用しても構いませんが、むしろ使用しない方がいい場合もあります。 例えば、復習問題 no.3 [1] のように格子枠内に書く場合、 それが水平や鉛直なベクトルだと、 定規で書くと格子枠にピッタリ重なってしまい、 どこからのベクトルかわからなくなってしまうことがあります。 だから手書きで結構です。
6. F に縦線がついたものの読み方は何ですか。(2023-10-13)
→ 「ベクトルエフ」でしょうか。 ただ、ベクトルを意味していることが話者と聞き手が了解していれば 単に「エフ」でもいいでしょう。
7. 復習問題 no.3 の [2] は、a,b,x,y がベクトルであることが分かりづらいので、 上に矢印をつけるなど、明示してもらいたい。(2023-10-13)
→ これは、それも読み解く訓練でもあります。
(1) [2] に書かれている a,b が太字の a,b、すなわちベクトルなのか、 細字の a,b、すなわちスカラーなのかは、 絶対的な評価は難しいでしょうが、 例えばベクトルであることが確実である [1],[3] の問題の a,b と比較すれば、同じ太さの文字で書かれていることがわかり、 よってこれはベクトルなんだなと認識できます。
(2) 教科書の a,b の太字のレベルも、 復習問題の太字のレベルとほとんど違いはありません。 逆にいえば、どの本でもベクトルを太字で書いているものは、 この位の記法でベクトルであることを示しています。 だから、明示されなくても自分でそれを意識してそう読み解く必要があります。
(3) そもそも、今「ベクトル」を履修しているのですから、 ベクトルである可能性を意識すべきでしょう。 スカラーなんだとしたら、これは中学生レベルの問題になってしまいます。
ということで、今後も太字で書いて、 わざわざベクトルとは明記しない問題はありえますので注意してください。
なお、同様の質問が 2 名から来ていましたが、 いずれも復習問題の提出はありませんでしたので、 どのような間違いをしているのか、 どのような書き方をしているのかは確認できませんでした。
→ 第 4 回目の復習問題から、少しフォントを変えて、 太字がやや従来よりも太いものに変えてみます。 なお、それにより他のフォントも変わりますので、 別に見にくいところが出てくる可能性もあります。(2023-10-18)
8. 板書で、「ベ」を丸囲みで書いたのは、 「ベクトル方程式」という意味ですか。(2023-10-19)
→ 4 回目の講義で書いたのは、そういう意味です。
9. 小テストは何問ほどですか。(2023-10-26)
→ 回答に意味があると思いませんので回答しませんが、 時間は最初の 35 分程度です。
10. 正答例のファイルがダウンロードできません。(2023-11-02)
→ スマホでしょうか。とりあえず計算機実習室の PC でダウンロードしてみてください。 それでもだめならまた言ってください。 こちらでは、iPad の Safari でも、Windows の firefox, chrome, Edge, opera でもいずれも問題なくダウンロードできています。
11. なぜ授業中に友人に質問してはいけないのか。 教員に質問すればその分講義の時間が無駄になるのでは。(2023-11-09)
→ まず、大学の講義で最も優先されるべきは「勉強したい人」であり、 それを邪魔してはいけない、ということです。
もしある受講生が、他の受講生に質問をすれば、 その聞かれた人が勉強をする時間を邪魔することになりますし、 あなたの回りの受講生の勉強する時間を邪魔することになります。 我々教員は、勉強したい人の静音状況を確保しなければいけないので、 私語は禁止、授業中は友人に質問しないように、としているわけです。 映画館だって私語をしていれば、金を払っていたとしてもたたきだされるでしょう。
一方、授業中に教員に質問することは間違いではありません。 ある人がわからないことは、他の人も分からない可能性があるので、 質問や間違いを見つければ、むしろ積極的に手をあげて教員に質問すべきです。 ただ、最近の学生は授業中に手を挙げて発言する人はほとんどいないので、 そのために私は毎回質問用紙を用意して、そしてそこに書いてあった質問は、 皆が見えるようにここに回答をあげて、 授業中に質問された場合と同じ状況を作っているわけです。
質問によっては、教員への質問が授業の妨げになる場合もあるかもしれませんが、 そういう場合も、質問用紙に書いてもらうことにしています。
どうしても友人に質問したいなら、授業後に行うか、 その人と講義室を出て行って、講義室の外で質問してください (その友人が許可すればですが)。
なお、これはあくまで私の講義の話であり、 授業中に友人同士の話を許可している授業や教員もあるでしょう。 その場合はそれに従ってください。
12. 行列 A に対して、
→ はい、あります。実数と同じで、自然数 n に対し、
13. 板書を書ききれないので代わりに写真を撮っていいですか。(2023-12-07)
→ 特別な配慮を必要とする学生以外については、 そういうことを私は許可はしていません。
それを許可すると、多くの学生が安易な方に流れて、 写真だけ撮って話を手を動かさずに聞くようになりますが、 それは、ノートのコピーを配布して、 私が一人で説明しているのと同じことになります。 それで内容が頭に入るかというと、実はほとんど入りません。 脳がそういう風にはできていないのです。 わからないことを聞いているだけでは、ほとんど記憶には残りません。 ノートを取るために手を動かす、ということはかなり大事な作業なのです。 過去に私が手を怪我した際に、 実際にノートを配布してそれを説明する授業をしたことがありますが、 ほとんどの学生が寝てました。 集中力を保つためにもノートを取ることは意味があるのです。
復習問題や演習問題でも、答えを見ながら解いている人がいますが、 それだと記憶に残りません。 わからないなりに一度考える、ということにより正解が記憶に残りやすくなります。 そして、少し忘れた頃にまたやってみることにより、 より記憶は定着しやすくなります。
古来から「幾何に王道なし」というように、勉強に楽な方法はありません。 苦労して初めて身につくものだと思ってください。
14. 復習問題第10回の[1] ですが、
→ 2 次の場合はそれでよくても 3 次以上の証明にはなっていません。 問題は 2 次と断ってはおらず、よってすべての正方行列に対する問題です。
1. 幾何ベクトルの矢印の矢先 (終点) は三角に塗りつぶさなければならないのか。 (2024-09-24)
→ ベクトルの矢先 (終点) は、(1) 両足を広げた 2 本の線をかくかき方、 (2) 三角をかくかき方、 (3) 三角をかいてその中を塗りつぶすかき方、 などがあります。私は (3) や (1) でかくことが多いですが、 通常は (1),(2),(3) いずれでも結構です。
ただし、複数のベクトルの矢先が一点に集まっている場合は (1) だとそれがどの矢先の線なのかわかりにくいときがあります。 そういう場合は (2),(3) のかき方がいいかもしれません。
2.
→ 他ができていても
3. ベクトルを太字にする縦線は、上下に少し飛び出ても構わないか。(2024-10-01)
→ 出すぎると他の文字と紛らわしくなる可能性もありますので、 あまり出ないようにしてください。少しだけなら大丈夫です。