まず、 の場合を考える。 補題 8 より、 は固有値 1 を持ち、 その単位固有ベクトル (実数ベクトル) のひとつを とする。
補題 1 よりこの を の形で表すことができる。ここで、 , であるが、 の場合は、 の代わりに と 取り直すことによって、 とできるので、 としてよい。 また、 のとき ( ) は、 とする。補題 3 より、 , , は 右手系の正規直交系となる。 , , の による像 , , は、 補題 5 により やはり互いに直交する単位ベクトルとなり、 より
となるので、右手系の正規直交系となる。 すなわち、 , は、 に垂直な面上で , を 回転したものになるので (図 4 と同様)、 その回転角を とすれば、 と書けることになる。 すなわち、任意の 3 次元ベクトル を 正規直交系 , , を用いての場合は、固有値は で、(30) が
に変わり、(31) も となるので、 , , の像 , , は、 左手系の正規直交系となる。方向の反転変換を とすると、 は、
となるので、合成変換 を考えれば、これで本節の目的の前半部分が示されたことになる。 次は、具体的な回転軸ベクトルと回転角の計算方法について考える。 回転軸ベクトル は、既に述べたように固有値 に 対する単位固有ベクトルを取ればよいので から回転軸ベクトルを計算することは難しくない。
の , を確定する代わりに、 , 等を求めることを考える。
で、
上に述べたように としてよいから、
回転角 については、
、
の像
(32) の右辺は、
丁度 (16), (17) の式に一致するので、
その 成分から計算できることがわかる。
すなわち、
の 成分を 、
の 成分を とすると、
これらは
と の成分で表すことができ、
の場合は より
,
で、
なお、 の場合の反転変換 の行列表現であるが、 これは、(35) より、
であり、よって右から の 逆行列、すなわちその転置行列をかければ、 により得られる。 , , を使って 実際に計算してみる。
なお、(38) は別な方法でも導くことができる。
(37) より、
同様にして、 の直交行列 を、(32) を用いて で表すことを考えてみる。 (32) より、
竹野茂治@新潟工科大学