6 最後に

1 節でも述べたが、本稿の内容は、 ほかの本や文書でも紹介しているものがあるから、 さほど本稿自体に意味があるものでもない。 むしろ、自分への備忘録としてまとめたものである。

学生の頃に受けた線形代数の講義では、ユニタリ行列による対角化等の話も 聞いたような気はするのだが、 その後使わなかったためかほとんど覚えていなかったし、 当時もそれほど意識していなかった。 ただ、多分聞いたことがないわけではなく、 覚えていないだけだと思うので、 当時の講義の問題ではなく、もちろん私の問題である。

また、微分方程式の分野では、本稿のような標準形よりも、 むしろ Jordan 標準形の方が良く用いられるので、 そちらは意識しているが、 ユニタリ行列や直交行列による標準形はあまり使ったことがなく、 大学の線形代数の講義でもこのあたりまで進むことはないので、 その後も思い出す機会はほぼなかった。

よって、本稿と [1] のように、 これらを学び直す機会は、個人的にはだいぶ有意義であったし、 私の備忘録としての意味はあったと思う。

竹野茂治@新潟工科大学
2024-04-03