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2 計算方法

実はこのマクローリン展開は、一般二項展開公式
\begin{displaymath}
(1+x)^\alpha = \sum_{n=0}^\infty \left(\begin{array}{c} \alpha  n \end{array}\right)x^\alpha
\hspace{1zw}(\vert x\vert<1)
\end{displaymath} (1)

さえ知っていれば「微分を使わずに」展開ができるのである。 ここで、 $\left(\begin{array}{c} \alpha  n \end{array}\right)$ は、一般二項係数

\begin{displaymath}
\left(\begin{array}{c} \alpha  n \end{array}\right) = \fra...
...{1zw}\left(\begin{array}{c} \alpha  0 \end{array}\right) = 1
\end{displaymath}

を意味する。

まず、$f(x)$ は展開すれば

\begin{displaymath}
f(x)=\frac{Ax}{\sqrt{x^2+L^2}}+Bx = Axg(x)+Bx
\hspace{1zw}\left(g(x)= \frac{1}{\sqrt{x^2+L^2}}\right)
\end{displaymath}

となるが、$Bx$ はこれ自身多項式であり、関数の和のマクローリン展開は マクローリン展開の和に等しいことを考えれば、 $Axg(x)$ のマクローリン展開を求めてそれと足し算すればいいことが分かる。 また、 例えば $g(x)$ のマクローリン展開が

\begin{displaymath}
g(x)=a_0 + a_1x + a_2x^2 + a_3 x^3 +\cdots
\end{displaymath}

だったとすると、$Axg(x)$ のマクローリン展開は、単にこの式の両辺に Ax を かけたもの、すなわち

\begin{displaymath}
Axg(x)=Aa_0x + Aa_1x^2 + Aa_2x^3 + Aa_3 x^4 +\cdots
\end{displaymath}

となるので、よって $g(x)$ のマクローリン展開さえ求めればすむことになる。


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Shigeharu TAKENO
2003年 11月 27日