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5.1 検算について

(8) の最初の 2 つは直角三角形の図を考えてみればわかるとして、 間違いやすいのは後半の $-x$ に対するものの方で、 これを逆にしてしまいがちである。

これら間違いやすい公式などは、それがあっているかどうかを確認するには、 適当な値 ($30^\circ$ など) をいくつか代入して検算するといいだろう。 公式は間違えていても、具体的な角度に対する三角比の値は間違えずに計算できる、 という人は多いように思う。

しかし、例えば $45^\circ$ では sin と cos の値は等しく、それによって sin か cos かが曖昧であるような公式のチェックは原理的にできないし、 また $\cos 0=1$, $\cos 90^\circ=0$ などは間違える人が割と多いようなので、 どういう値を代入するかも検算がうまくいくかどうかに関係する。 それに、負の角や $90^\circ$ より大きい角に対する三角比の値が正しく計算 できなければ検算ができない場合もあるだろう。

一般角に対する三角比の計算方法は、何か自分で一つ確実な方法を 身につけておく必要があるだろうが、代表的なものは

を利用するやり方だろう。私は大抵頭の中で単位円を書いている。

私が高校生の頃は、倍角、半角の公式、三倍角の公式、和 $\rightarrow$ 積、 積 $\rightarrow$ 和の公式などはその都度加法定理を使って導いていたし、 そのために、普段から間違いなく導けるかどうかも訓練していたように 記憶している。


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Shigeharu TAKENO
2003年 3月 4日