まずは、定理 1 の条件 1 の と区間に関するもので、 を 、または として、 極限を 、または の片側極限とする バリエーションがある。
さらに、、または とし、 は 、または のような半無限区間とし、 の条件 3 を 、または とし、 極限を 、または とする バリエーションがある。
これらに対しても、ロピタルの定理の結果は そのまま成り立つことが知られているが、 このような の収束先 () の変更が 5 通りある。
また、不定形が でなく の場合のバリエーションもある。 つまり、条件 3 を 「 、 」 などとした場合であるが、 この場合もロピタルの定理が成立することが知られているが、 この極限の は に 置き換えることもできるので、それだけで 4 通りあり、 上と同様の の収束先の変更も考えるとそれがそれぞれ 4 通りある (この場合は は考えず、通常片側極限を扱う) ので、 全部で 16 通りあることになる。
ここまでで 21 通りのバリエーションがあることになるが、さらに、 (1) の が、有限な値ではなく、 か の場合でも定理が成り立つことが知られている。 すなわち、「 ならば も となる」 といった形である。 よって、これらを上の 21 通りすべてに適用すれば、 合計で 63 通りのバリエーションがあることになる。
もう一度、分類を整理してみる。 すべてのパターンを のような記号で表現する。 各成分の意味は以下の通り。
通常、教科書に載っている証明は、 実質的に に対するもののみであることが多く、 あとは「他も同様」で片づけられていることが多いと思う。
ただ、 の場合の証明は の場合とは 少し違いがあるし、 の不定形の場合はさらに異なる。
よって、次節以降でこれらのうち典型的なものに関する証明を いくつか紹介する。
竹野茂治@新潟工科大学