3 指数法則
次は、 に対する指数法則などの基本性質を見ていく。
まず、 のとき、
であるから、
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(18) |
の単調増加性が得られる。なお、実際にはこの等号も外すことができるが、
それは後で示す。
また、, に対して、
であるから、
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(19) |
が成り立ち、 ならば (16), (19) より
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(20) |
が成り立つことがわかる。
(16), (19) より が正でも負でも は常に正となるので、
(19), (20) から、漸近性質
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(21) |
が得られる (厳密にははさみうちの原理による)。
次は指数法則を考える。まず、自然数 に対して、
より、
の極限を取れば
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(22) |
が成り立つことがわかる。
また、(16) と組み合わせると
も成り立つので、以上を合わせると、整数 に対して、
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(23) |
が得られる。さらに、自然数 に対して、(22) より
となるから、よって
となる。これと (23) を組み合わせれば、
整数 , () に対して、
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(24) |
となることもわかる。
これは、有理数 に対して「
」を示したことに相当する。
しかし、実数 に対する「
」を示すには、
一般の に対する「」が必要になるので、それはまだ示すことはできない。
次は、
を考える。
となるが、命題 4 により最後の式は と 1 の積に収束するので、
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(25) |
が成り立つことになる。これは「
」に相当する。
なお、 であれば (19) より なので、
(25) より に対して
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(26) |
が成り立つことがわかる。
これは、(18) の等号を外すことができることを
示したことになる。
(25) で を とすれば、(16) より
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(27) |
が成り立つこともわかる。これは「
」に相当する。
竹野茂治@新潟工科大学
2017年2月2日