よく知られている有名な定理の一つに、連続関数の最大最小の定理、 連続関数の中間値の定理、 および微分可能な関数に対する平均値の定理、というものがある。
関数 が閉区間 で連続であれば、 この区間で最大値と最小値を取る。すなわち、 ある , ( ) が存在し、 内のすべての に対して
関数 が閉区間 で連続で であれば、 と の間の任意の実数 ( または ) に対して、 となる が の内部 () に少なくとも一つ存在する。
関数 が閉区間 で連続で、開区間 で微分可能ならば、
これらは、ほとんどの微分の本に載っている有名な事実である
(証明も省略する)。
が開区間で微分可能であるとき、 それはその導関数 の連続性に言及しているわけではないので、 は一般には連続であるとは限らない。 例えば以下の関数 は、 を含みすべての で微分可能であるが、 は では連続ではない。
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実際、
よって一般に導関数 は連続ではないことがわかるが、 一方で にはいかなる不連続性も許されるのかというとそうではなく、 実は には (連続ではなくても) 次のような中間値の定理が 成り立つことが知られている ([3])。
が、閉区間 を含むある開区間で連続でかつ微分可能で、 であれば、 と の間の任意の実数 ( または ) に対して、 となる が の内部 () に少なくとも一つ存在する。
証明
と仮定する ( の場合も同様)。 とすると、 , であるので、 は の付近では減少、 の付近では増加するので、 少なくとも , は区間 での の最小値ではない。 一方で、定理 4 より連続関数 は 区間 で最小値 を取るから、 となっているはずである。 仮定より は存在するが、 この の付近では は右にも左にも減少はできないので、 よって でなくてはならない。よって となる。
よって、区間で微分可能な関数の導関数は、
このような中間値の定理が成り立たないような不連続性は許されず、
例えばそれが成り立たないガウス関数のような導関数は存在しないことになる。
なお上の で、 ある点で導関数が極限を持たないような不連続性の例を示したが、 導関数が極限を持つ場合には、その点では連続となることが言える。
が の付近で連続で、 を除いては微分可能であり、
証明
で が に近づくとき、平均値の定理 6 により
例えば、
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竹野茂治@新潟工科大学