を有限の実数値とする。
単射性の証明に使うのは、実は定理 5 の 1. の方だが、 定理 5 の 1. は 2. に含まれる。 つまり 1. は 2. の系として示される。
それは、 上の連続関数 は (18) を 満たすので、それが (17) を満たせば、 2. により (19) が成り立つことになり、 は連続なので (19) より と なるからである。 これで定理 5 の 2. から 1. が言えることがわかる。
よってあとは定理 5 の 2. を証明すればよい ことになるが、その証明は通常は「ワイヤストラスの多項式近似定理」と ルベーグ積分に関する定理などを組み合わせて行う。 実際にに単射性に使用する定理 5 の 1. を単独で 証明する場合も、通常「ワイヤストラスの多項式近似定理」を用いる。 しかし、本稿ではそれらとは違い、フーリエ解析分野の 「一般ルジャンドル多項式系の完全性」という定理を使って 定理 5 の 2. の説明を行うことにする。
この「一般ルジャンドル多項式系の完全性」も、実は ワイヤストラスの多項式近似定理を使って導かれるものであるが、 フーリエ解析はラプラス変換に近い理論であるし、 むし工学者に取っては「一般ルジャンドル多項式系の完全性」は なじみやすいものだろうし、 そしてこれを使うことで一見ワイヤストラスの多項式近似定理を 見えないようにできるので、本稿ではこの方法を選択する。
まずは一般フーリエ級数について説明する。 を、 上のルベーグ可測関数 (実数値) で 自乗可積分、すなわち (18) を満たす 関数全体の集合とし、この上の内積 、ノルム を
この完全正規直交系として知られるものの一つが、 上
なお、この は、通常のルジャンドル多項式 をスケール変換したものであり、通常のルジャンドル 多項式は、 上の直交系で、 が 上の完全正規直交系となる。
この の完全性を利用して、 定理 5 の 2. を示そう。 もし が (17) を 満たせば、 と任意の多項式との積の積分は 0 となり、よって
竹野茂治@新潟工科大学