この文書は、gnuplot バージョン 5 (5.4 まで) についての記述です。
FAQ バージョン: 2020 7 月
現文書の PDF 版: http://www.gnuplot.info/faq/faq.pdf (訳注: 英語版)。
このドキュメントの最新版は、Web 上の http://www.gnuplot.info/faq/ にあります。
コメント、提案等は開発者向けメーリングリスト gnuplot-beta@lists.sourceforge.net に送ってください。
gnuplot はコマンド駆動型の描画プログラムです。関数の描画、 およびデータ点の描画を、2 次元、3 次元の両方で、 そして多くの異なるスタイル、多くの異なる出力形式で行うことができます。 また、gnuplot は自動的にグラフを生成するスクリプト言語としても 使用することができます。 これは主に科学的なデータを画面表示するものとして設計されています。 gnuplot の著作権は保護されていますが、自由に配布でき、 代金を払う必要はありません。ソースコードのダウンロードも歓迎します。
gnuplot の作者は Thomas Williams, Colin Kelley, Russell Lang, Dave Kotz, John Campbell, Gershon Elber, Alexander Woo、 そして多くの協力者です。
以下は Thomas Williams によります:
私は微分方程式の講義を、そして Colin は電磁気学の講義を取っていて、 2 人ともそれらに関する数学が視覚化できればなあと考えていました。 私達はある EE (Engineering Electronics) VLSI 研の システム管理者として働いていて、そして、 グラフィック端末とコーディングを行なう時間がありました。 その投稿は我々の期待以上に良く受け入れられ、そして、不完全でしたが、 ファイルデータに関するいくつかのサポートに我々を駆り立てました。
GNUplot という紹介はどんなものも正しくはありません。 このプログラムの本当の名前は "gnuplot" です。 ずいぶんと "Gnuplot" と書かれているのを見るでしょうが、 それは我々の大半が、固有名詞やタイトルであっても、 文章を小文字で開始することに嫌悪を持っているからです。 gnuplot は GNU プロジェクトや FSF とは、 極わずかの意味を除けば少しも関係ありません。 我々のソフトウェアは完全に独立にデザインされたもので、 そして "gnuplot" という名前は実は妥協によるものです。 私は "llamaplot" と呼びたかったし、 Colin は "nplot" と呼びたかったのです。 そして、我々は "newplot" がいいだろうということで合意しましたが、 しかしそのときその名前を持つ、絶対的におぞましい Pascal のプログラムを 計算機科学部でたまに使っていることを知りました。 それで私は "gnuplot" がいいごろ合わせになるとして、 後で Colin もそれに同意したのです。
ええ。gnuplot は対話型実行中に 追加コマンドを含むファイルを読み込むことができますし、 既に存在するファイルや標準入力からのコマンド列を パイプを使ってバッチモードでそれを処理することもできます。 gnuplot は、Octave のような高水準な数学パッケージの背後で実行する グラフィックドライバとして使われていますし、 cgi スクリプトでラップすることで 容易に Web 起動型の描画生成ツールとして使うこともできます。 gnuplot は、なじみのある命令 if else continue break while for を 用いた文脈駆動型、データ駆動型の処理制御、 および繰り返しをサポートしています。
gnuplot は、MS Windows, linux, unix, OSX などの 多くのプラットホーム上で、広く利用できます。 現在のソースコードは、VMS, Ultrix, OS/2, MS-DOS などの古いシステムのサポートも保持していますが、 16 ビットプラットホームはもうサポートしていません。
gnuplot のソースは、それなりに標準的 (ANSI/ISO C, POSIX 等) な環境から 多少外れたものの上でもコンパイルできるでしょう。
gnuplot はボランティアの集団によって作られたものです。 彼らは gnuplot 、およびその使用の許可、 不許可に関する法的な文書を作成できません。また何の保証もありません。 自分自身の責任で使用してください。
gnuplot は、無償であると言う意味でフリーウェアです。 gnuplot をあなたが望むように使用し、改変することができますが、 改変したものを配布することについてはある種の制限がつきます。 Copyright というファイルの modification (改変) と redistribution (再配布) の項目を読んでそれに従ってください。
gnuplot は FSF が作ったのでも FSF がメンテナンスしているのでもありません。 一時期 FSF から配布されていたこともありますが、 しかし現在はこれは正しくありません。 gnuplot は、GNU General Public License (GPL) に全く保護されていません。
gnuplot Web ページ http://www.gnuplot.info を見てください。
英語以外の他の言語での文書や入門書もあります。 最新のリストについては、http://gnuplot.sourceforge.net/help.html の "Localized learning pages about gnuplot" の節をご覧ください。
gnuplot の最新の安定版は、2020 年 7 月に最初にリリースされた 5.4 です。 更新バージョン (パッチレベル 1, 2, ...) は、だいたい 6 ヶ月毎に リリースされます。 gnuplot の開発版は、現在は 5.5 となっています。
初めに最も適切な場所は http://www.gnuplot.info です。 ここから、例えば SourceForge 上の開発プロジェクトサイト http://sourceforge.net/projects/gnuplot などの、 色々なサイトの場所を見つけられるでしょう。
ソース配布物 ("gnuplot-5.4.0.tar.gz" または同様の名前) は公式の配布サイト http://sourceforge.net/projects/gnuplot にあります。
一般的に、現在の開発版は、最終安定リリース版の gnuplot には まだ入っていない機能も入っています。
gnuplot の開発版は、git リポジトリに保持されていて、以下に示すように クローンを手元で作成し、ソースを調べたり、 実行プログラムをソースから作成したりできます。
git clone https://git.code.sf.net/p/gnuplot/gnuplot-main gnuplot
開発版に対する質問は必ず gnuplot-beta@lists.sourceforge.net に送ってください。
リリースノートと README, INSTALL のファイルを 読んでください。C と C++ コンパイラが必要で、様々なサポートライブラリが あらかじめインストールされている必要もありますが、 それはどのような設定オプションを選択するかによりますし、 作成する実行ファイルにどの出力形式をサポートさせたいかにもよります。
ソース配布物に完全なドキュメントが PDF ファイル形式で含まれています。 個々のセクションは、gnuplot の作業中に help キーワード を 打つことで見ることができます。 ドキュメントの他の形式も、docs サブディレクトリ内で ソースからコンパイルできます。
http://gnuplot.sourceforge.net/documentation.html に、 英語版と日本語版のコピーが置いてあります。
ソース配布物には動作するサンプルのディレクトリが含まれています。 これらサンプル、およびその結果の描画グラフは http://gnuplot.sourceforge.net/demo/ でも見ることができます。
コンパイル済みの gnuplot が与えられている場合、show コマンドで、 それがコンパイルされたときに使用されたコンフィグレーションと ビルドオプションの一覧を表示できます。 あなたの gnuplot に組み込まれている出力形式 ("terminal" とも言います) は、 set terminal で表示できます。
gnuplot> show version long gnuplot> set terminal
最初のプロンプトで help コマンドを実行してください。 その後キーワードをたどっていってください。 help plot や help set から始めるのがいいでしょう。