4 最後に

今回は、[4] に書かれていた、地中が均質の場合の地中最速降下線が、 実は簡単な 2 円の内サイクロイドになることを確認した。 [3] を書いたときは、 (1), (2), (3) の式 からそのような結果を想像することはできなかったが、 目標がわかればやることははっきりするので、 今回式変形によりそれを示すことはそう難しくはなかった。

これで、真下の重力の場合、及び中心重力の場合の最速降下線が、 いずれも円をころがしてできるサイクロイドであることになるが、 そのことは大変興味深い。 より一般の状況でも同様のことが言えるのかはわからないが、 もしかすると変分法とは別な方法の考察、 例えばベルヌーイが行った幾何学的な方法などを用いることで、 サイクロイドと最速降下線が自然につながることが易しくわかり、 今回の結果なども簡単に示されるのかもしれないが、 残念ながら私にはよくわからない。

竹野茂治@新潟工科大学
2017年8月2日