1 大学の講義

大学の講義と高校までの授業の違いを簡単にまとめると次のようになる。

表 1: 高校までの授業と大学の講義の違い
  高校までの授業 大学の講義
進度 遅い 速い
問題演習 非常に多い 少ない
講義の進め方 丁寧 丁寧でない


それぞれにはそれなりの意味があるように思われる。

高校までの主要科目

高校までの授業科目、特に主要科目と呼ばれる科目は、 それが直接応用に結びつく学問であるというよりは、 色んな応用分野のための基礎の学問であり、そのため、 学習する分量を少なくして、 むしろ問題演習をこなすことで身につけさせている。

大学の講義

大学の講義は次のような点で、高校までの科目との違いがある。

高校までは「授業」といい、大学では「講義」という。この字の意味も、 ある意味でその違いを表している。「新漢和辞典」(大修館, 諸橋轍次他著) によれば

授業
学業を教え授ける
講義
文章や学説の意味をとき明かす (「義」=「意味」、 「講」=「とき明かす」)
とある。 つまり、学問で使われる方法などを授けるところまで行う場が 「授業」であり、学問の内容、難しい話を解説する、というところまでしか 行わない場が「講義」であるということになる。

高校までの授業は、道具の使い方を学ぶという意味が強いので「授業」という 言葉を使い、大学の講義は理論の解説という意味が強いので「講義」という 言葉を使っているのであろう。

竹野茂治@新潟工科大学
2015年4月3日