情報電子工学概論 1 のアンケート no.3 (10/01 2007)


目次


はじめに

3 回目の講義で課したアンケート項目は以下のものでした。

  1. 使ったことがあるプログラミング言語をすべてあげよ
  2. 使ったことはないが、聞いたことがあるプログラミング言語をすべてあげよ
  3. どんなソフトがあったらいいと思うか

その他、この講義に関して何かあれば自由に書いてもらいました。 回答数は 55 名でした。

「プログラミング言語」という言葉に関してはあえて説明しませんでしたが、 わからない、と書いた人はいましたが、 「コンピュータ用語」「プログラム用語」などと勘違いして書いている人は ほとんどいませんでした (2 名)。


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集計結果


使った/聞いたことがある プログラミング言語

複数の回答も多かったのですが、それらもすべて数え上げました。 多いもの順に上げます。

昨年は、 「なし」「わからない」という回答がかなり高かったのですが、 それに比べると多少はその割合は減ったものの、 やはり 2,3 年前よりは高いように思います。

高校では「情報」の科目が導入されましたが、 以前はコンピュータの実習というと定番だった「プログラミング」が、 現在の「情報」では少なくともメインではなく、 コンピュータリテラシのような内容になっているようですが、 そういうことの影響もあるのかもしれません。 そして、これは今後大学のプログラミング教育にも影響が出るかもしれません。

個々の回答では、例年同様 Basic, C, C++, Java などが多いようですが、 それ以外も、それほど例年と変わらないような気がします。

Java は、Sun が開発した、 インタプリタ形式とコンパイラ形式の中間のような、割と新しい言語で、 ある意味でどんな動作環境でも動くことを目指して作られています。 WWW や、携帯電話のアプリケーションの作成にも使われたりしているそうです。 Java と JavaScript は名前は似ていますが全く別物で、 JavaScript の方は、ブラウザに WWW 上の動的なコンテンツを実行させる スクリプト言語 (Netscape 社が開発) です。

また、HTML を上げた人もいましたが、 正確にはこれはプログラミング言語とは違い、 WWW ページを記述するマークアップ言語だと思います。 「さくら」というのは調べてみたのですが、見つかりませんでした。 また、「ActiveBasic」は、正確には Basic 環境の一つで、 MS-Windows 上のフリーソフトの名前のようです。 その意味では、「Visual Basic」や「Visual C++」も同様です。

マシン語は CPU が直接理解する言語で、 アセンブリ言語はマシン語に 1 対 1 に対応させて マシン語を多少読みやすくしただけのものです。 通常これらはプログラミング言語とは呼ばれないようです。

その他の言語を簡単に見ますと、以下のようになっています。

例年、数が多いものを「わからない等」と共に表にまとめてみます (表内の数字は、(使ったことがある %)/(聞いたことがある %))。

2002 年 2003 年 2004 年 2005 年 2006 年 2007 年
BASIC 40.7%/ 11.0% 60.0%/ 13.3% 57.4%/ 3.3% 54.3%/ 17.3% 24.6%/ 10.8% 43.6%/ 1.8%
C 24.2%/ 20.9% 41.1%/ 48.9% 32.8%/ 41.0% 44.4%/ 35.8% 35.4%/ 20.0% 27.3%/ 36.4%
C++ 2.2%/ 6.6% 10.0%/ 6.7% 3.3%/ 13.1% 7.4%/ 12.3% 3.1%/ 6.2% 10.9%/ 10.9%
Java 1.1%/ 14.3% 2.2%/ 23.3% 6.6%/ 6.6% 34.6%/ 14.8% 6.2%/ 12.3% 5.5%/ 18.2%
JavaScript 1.1%/ 0.0% 2.2%/ 2.2% 4.9%/ 0.0% 11.1%/ 2.5% 0.0%/ 1.5% 1.8%/ 0.0%
アセンブラ 3.3%/ 2.2% 2.2%/ 14.4% 9.8%/ 19.7% 7.4%/ 8.6% 7.7%/ 3.1% 5.5%/ 7.3%
Fortran 0.0%/ 2.2% 1.1%/ 6.7% 0.0%/ 4.9% 0.0%/ 6.2% 0.0%/ 0.0% 0.0%/ 1.8%
わからない等 37.0%/ 34.4%/ 40.0% 39.3%/ 27.9% 23.5%/ 25.9% 47.7%/ 63.1% 45.5%/ 41.8%

使ったことがあるコンピュータ言語の種類を個人毎に数えてみると 以下のようになりました。

4 種類以上というのはなかなかすごいような気がします。


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あったら良いと思うソフト

色んなものが書かれていましたが、おおまかに分類してみました。

無回答も多かったですし、以前よりも面白い意見が減っているように感じますが、 それが今年の学生の雰囲気を表しているのかも知れません。 「簡単に」「わかりやすい」といった意見がこれまで同様多いようです。

具体性のあるものについては、 既に存在するものもいくつかありますし、 あったら良さそうなものもあります。 大まかな形を紹介しているものも 例年良く見られる意見が多いようですが、 具体的にどう実現するか、何をやってくれるものにするのか、 ということを考えてみると面白いかもしれません。

「日本語でプログラミング」というのは既にいくつかありますし、 「簡単にプログラミング」というのも 各種スクリプト言語などがそれに相当するようにも思います。 「Unix や MS-Windows など複数の環境で使えるように」というのも まあないわけではありません。 「日本語/中国語/ハングルで入力」というのは、 もちろん中国、韓国でも PC は利用されているわけですから、 あるわけですね。

「手のモーションをリアルタイムに表現できるソフト」と 「著作権の問題のない P2P ソフト」は、 今年の意見のなかではかなり具体的なもので、 しかも目的もそれなりにはっきりしている意見だと思います。 深く考えてみるとおもしろいものができるのではないでしょうか。 卒業研究のテーマにまでつながりそうなネタのような気もします。


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作成日: 10/14 2007
竹野茂治@新潟工科大学 (shige@iee.niit.ac.jp)