情報電子工学概論 1 のアンケート no.3 (05/15 2006)


目次


はじめに

3 回目の講義で課したアンケート項目は以下のものでした。

  1. 使ったことがあるプログラム言語をすべてあげよ
  2. 使ったことはないが、聞いたことがあるプログラム言語をすべてあげよ
  3. どんなソフトがあったらいいと思うか

その他、この講義に関して何かあれば自由に書いてもらいました。 回答数は 65 名でした。

「プログラム言語」という言葉に関してはあえて説明しませんでしたが、 わからない、と書いた人はいましたが、 「コンピュータ用語」「プログラム用語」などと勘違いして書いている人は ほとんどいませんでした。


目次に戻る

集計結果


使った/聞いたことがある プログラミング言語

複数の回答も多かったのですが、それらもすべて数え上げました。 多いもの順に上げます。

なお、「VisualVasic」「Peal」「JABA」「C+」などと書いたものが ありましたが、 それぞれ「VisualBasic」「Perl」「Java」「C++」としてカウントしています。

今年は、例年よりも「使ったことがない」「知らない」という回答が かなり多いのが目につきます。 高校では「情報」の科目が導入されましたが、 以前はコンピュータの実習というと定番だった「プログラミング」が、 現在の「情報」では少なくともメインではなく、 コンピュータリテラシのような内容になっているようですが、 そういうことの影響もあるのかもしれません。 もしかすると、大学のプログラミング教育にも影響があるのかもしれません。

個々の回答では、例年同様 Basic, C, C++ などが多いようですが、 それ以外も、それほど例年と変わりません。 ただ、Pascal や COBOL を聞いたことがある人はまだいましたが、 今年はついに Fortran が消えました。 Pascal は教育用の言語でしたが、 現在もオブジェクト指向 Pascal の実装 (Delphi など) が使われているようです。 COBOL は、昔はビジネス用途のソフトを記述するのに良く利用されたようですが、 現在はあまり使われてはいないと思います。 2000 年問題で一時期有名になりましたね。

上位にある Java は、Sun が開発した、 インタプリタ形式とコンパイラ形式の中間のような、割と新しい言語で、 ある意味でどんな動作環境でも動くことを目指して作られています。 WWW や、携帯電話のアプリケーションの作成にも使われたりしているそうです。 なお、Java と JavaScript は名前は似ていますが全く別物で、 JavaScript の方は、ブラウザに WWW 上の動的なコンテンツを実行させる スクリプト言語 (Netscape 社が開発) です。

NC プログラムはファームウェア専用の言語で、 工業高校などではそのような実習もやるかもしれません。

CAD, PIC, HTML などと書いた人もいましたが、 これらはプログラミング言語とは違うと思います。

その他の小数回答の言語を簡単に見ますと、以下のようになっています。

例年、数が多いものを「わからない等」と共に表にまとめてみます (表内の数字は、(使ったことがある %)/(聞いたことがある %))。

2002 年 2003 年 2004 年 2005 年 2006 年
BASIC 40.7%/ 11.0% 60.0%/ 13.3% 57.4%/ 3.3% 54.3%/ 17.3% 24.6%/ 10.8%
C 24.2%/ 20.9% 41.1%/ 48.9% 32.8%/ 41.0% 44.4%/ 35.8% 35.4%/ 20.0%
C++ 2.2%/ 6.6% 10.0%/ 6.7% 3.3%/ 13.1% 7.4%/ 12.3% 3.1%/ 6.2%
Java 1.1%/ 14.3% 2.2%/ 23.3% 6.6%/ 6.6% 34.6%/ 14.8% 6.2%/ 12.3%
JavaScript 1.1%/ 0.0% 2.2%/ 2.2% 4.9%/ 0.0% 11.1%/ 2.5% 0.0%/ 1.5%
アセンブラ 3.3%/ 2.2% 2.2%/ 14.4% 9.8%/ 19.7% 7.4%/ 8.6% 7.7%/ 3.1%
Fortran 0.0%/ 2.2% 1.1%/ 6.7% 0.0%/ 4.9% 0.0%/ 6.2% 0.0%/ 0.0%
わからない等 37.0%/ 34.4%/ 40.0% 39.3%/ 27.9% 23.5%/ 25.9% 47.7%/ 63.1%

これを見てもわかりますが、 今年は Basic を使ったことがある学生の割合がかなり現象し、 わからない等の回答が過去に比べても高くなっています。 ここからもわかりますが、上にも書いた通り、 高校のカリキュラムの影響が高いような気がします。

使ったことがあるコンピュータ言語の種類を個人毎に数えてみると 以下のようになりました。

4 種類以上というのはなかなかすごいような気がします。


目次に戻る

あったら良いと思うソフト

色んなものが書かれていましたが、おおまかに分類してみました。

無回答も多かったですし、以前よりも面白い意見が減っているように感じますが、 それが今年の学生の雰囲気を表しているのかも知れません。 「簡単に」といった意見がこれまで同様多いようです。

具体性のあるものについては、 既に存在するものもいくつかありますし、 あったら良さそうなものもあります。 大まかな形を紹介しているものも 例年良く見られる意見が多いようですが、 具体的にどう実現するか、何をやってくれるものにするのか、 ということを考えてみると面白いかもしれません。

「詳しい知識を必要としないプログラミング言語」というのは 各種スクリプト言語などがそれに相当するようにも思いますし、 色々な面での色々な「プログラミングの支援ソフト」はあります。 「Unix と MS-Windows の機能を両方使う」というのも 今 Unix 系の雑誌では丁度話題になっていますし、 「今より高速な OS」というのは、 単に OS を軽いものに変えてみれば済むような気がします。

「プログラミングの必要がないソフト」というのがありましたが、 それはどういうことでしょう。 「ソフト」は、単なる「データ」でなければ、 基本的にプログラミングによって作成します。 プログラミングされたソフトがなければ、 コンピュータは動きません。 プログラミングがやりたくない、ということなのかもしれませんが、 情報電子工学科の学生なら、 どういう方向 (例えばハードウェア方面) へ向かうとしても、 ソフトウェアから逃げることはできません。 ハードウェアあってのソフトウェアですし、 ソフトウェアあってのハードウェアです。 プログラミングは確かに難しいかもしれませんが、 逆にだからこそ情報電子の学生が社会で必要とされるわけです。 情報電子工学科卒の学生としてふさわしいプログラミングの技術を しっかり身につけてもらいたいと思います。


目次に戻る

講義に関して書かれていたこと

アンケートの最後に「この講義に関して自由に」に 一つだけ質問が書かれていたので、それを上げます。


目次に戻る

書かれていたことに対する回答


レポートは添削して返却してくれないのか

添削はしません。採点するだけです。 返却もできれば行ないたいのですが、機会がなさそうです。 採点が済んだら、希望者に取りにきてもらう形式にするかもしれません。 もしそうするなら、後でその旨掲示します。


目次に戻る
作成日: 05/22 2006
竹野茂治@新潟工科大学 (shige@iee.niit.ac.jp)