情報電子工学概論 1 のアンケート no.4 (07/15 2002)


目次


はじめに

4 回目の講義で課したアンケート項目は以下のものでした。

  1. どんなソフトを作りたいか
  2. アンケートの集計結果に興味はあるか
  3. アンケートに書かれていた意見に対する回答に興味はあるか
回答数は 90 名でした。


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集計結果


どんなソフトを作りたいか

前回 「どんなソフトがあればいいか」 という質問をしましたが、今回はソフトウェアとプログラミングの話だったので、 「どんなソフトを作りたいか」というものに少し変えてみました。 多少分類して上げます。

「作る」ということに関しては、多少具体性を感じるためか、 前回より突拍子もないものは少なくなったような気がします。 そして、ゲームや翻訳に意見が集中し、 前回に比べやや「面白くない」結果になりました。

ゲームを作ること自身は面白くないことだとは思いませんが、 ゲームをやることはあまり面白くないですね。 個人的な意見ですが、ジャンルにもよりますが、 「ゲーム」は時間潰しにはいいのかも知れませんが、 逆に時間潰しでしかない、と思います。 作者が想定した世界の中で単に遊ぶだけ、 何も新しいことを作るわけでも、新しい知識を得るわけでもない、 既に作者が知っている情報を受けて喜んでいるだけ、 外から見るとあまり素晴らしいことには見えません。 そのような形式のゲームは特に最近のものに多いようで、 かつそういうものが良く売れているようです。

しかし、例えばタイピングソフトのように、ゲーム性を導入することにより、 本来単調で退屈なソフトに親しんでもらう工夫、熱中させる工夫というのは 面白い方向だと思います。 いわゆる「教育ソフト」にもそのような一面があるので 子供はそちらの方に引かれるのだろうと思います。 英単語や年表の暗記などがゲーム性を持って楽しく勉強できるといいでしょうね。 ただ、勉強はそういうものだ、と思われるとそれはそれで問題だと思いますが。

その他のものも既に現在ある具体的なソフトが多く表れていますが、 いずれも、既存のものとは違う新しい機能を持つものや、 全く異なる考え方によるもの、ということであると面白いでしょう。 もし、本当に作ってみたいという気持があるのならそれを大事にして、

というのがいいんじゃないかなと思います。 そういう場合物によっては、C 言語などで作り始めるより、 例えば HSP とか VBScript とかのスクリプトで始める方が 楽かもしれません。


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アンケートの結果に対する関心

こちらの方は回答は以下の通りでした。

今までアンケート結果を集計し、次回の講義の最初におおまかに紹介するととも WWW ページで詳細を公開して来ました。 実は基礎数理の講義でも小テストや期末テストでアンケートを取り、 それに対しても同様の対処をしています。 しかし、そのアンケートに関する WWW ページへのアクセスは少ないようですし、 そのアンケート結果に関する報告をしているときは なんとなく別に聞きたいとは思わない、という顔をしている人も多いようなので 今回はこのような意識調査をしてみたわけです。

結果はいずれも興味ある、と言う回答が約 6 割という結果でしたので、 まあこうしてアンケート結果を報告すること、および WWW ページを作ることが 全く無意味ではないようだという結果になりましたが、 逆にそういうことに興味のない人も多いのだ、ということを表す結果になりました。

講義に対してこのように改善してもらいたい、と直接言って来る学生、 あるいは講義中に意見や質問を言う学生はほとんどいません。 しかし、では学生は講義に不満や意見、質問を持っていないのかというと 決してそうではなく、 アンケートを取ってみると不満等がたくさん出て来てびっくりします。 特に共通して上がる不満や意見に対しては、改善するか、 またはそれはそうではないんだと説明するなど、 不満を取り除くための何らかの対処しないといけないだろうと思い、 こういったことを昨年、一昨年位から行なっています。

今回のアンケート結果には、興味はあると言う学生の中に、 興味はあるけど WWW ページを見るまでしようとは思わない、 という意見も幾つか見られました。 確かに WWW ページという形が最良ではないのかも知れませんが、

ということなどから他の報告方法よりいいのではないかと思います。 講義中に全員に報告するというのもいい方法でしょうが、 興味ないと答えた 4 割の人に取っては意味のないことなんでしょうから、 やはり WWW ページでの報告の方がいいように思います。 今後も他の良い方法が見つからない限りは講義での報告は最小限に留め、 詳細は WWW ページで報告する、というこの形態を取り続けたいと思います。


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最後に

今回の 4 回の講義ですが、講義中にも話したように 私はコンピュータに関する教育を系統立てて受けたことはなく (2 度コンピュータ実習を受けただけで講義はほぼ 0 回)、 ハードウェアに関することもソフトウェアに関することも そんなに知っているわけではありません。 ただ、コンピュータは大学院生の頃から使っていて プログラミングなども多少はやって来ましたし、 今回の講義のために色々な本を勉強しましたので、 なんとか色んな知識を多少は頭に入れることができました。

コンピュータに関しては

と思いましたので、むしろ今の 1 年生位があまり知らないことを やさしく解説する、というつもりで始めました。

初回にインターネットの講義を行ないましたが、 インターネットが急速に普及し出したのは WWW によるマルチメディアが人の目を引き出した頃からで、 現在でもインターネットと言うと WWW ページとメールを使うことくらいしか 意識していない学生が多いだろうということで、あえて

という形にし、そして皆さんの意識を知るために コンピュータに関することなどのアンケートを取りました。

ところが、そのアンケートで意外だったのは、

でした。 情報電子の学生だから、むしろ私が述べたようなことは 既に知っているという学生が多いのではないだろうか、 「おもしろくない」「つまらない」「やさしすぎる」といった意見が 多いのではないだろうか、と半分期待もしていたのですが、 残念ながらそのような意見はほとんどありませんでした。

大学は勉強しようと思えば、資料はありますし時間もありますから いくらでも勉強できるところです。 特に皆さんの年代は吸収が速く、いくらでも先に進められます。 興味があるならどんどん自分、あるいは自分達で勉強を進めてください。

そして、そのアンケートの画一化された意見を見て、 やや当初の計画を修正して、今回の講義では視野を広げてもらう、 ということを目標にすることに決めました。 情報電子工学科の学生の意識が

という形であるのはあまりいい状況ではないと思います。 よって 2 回目以降の講義は、それらが等号ではないという状況を 知ってもらいたいということを目指して行なったつもりですが、 しかし私はこのあたりが精一杯ですので、 続きは専門の講義で専門の先生方にじっくり教えてもらう、 あるいは自分で勉強を進める、ということをやってもらいたいと思います。

皆さん方は今後新しいものを作っていかなければいけないんだと思います。 そのためには視野を広げるのが実は一番手っ取り早い方法ではないかと思います。 そして、大学で基盤技術をじっくり学んでおけば、 それがつながって実を結ぶこともあるでしょう。 視野を広げ、独自の視点を持ち、自分の道を進んでください。

ちなみに、私のアンケートの回答を上げますと、

ハード的には簡単に実現できそうですが、 OS の上の殻 (シェルインターフェース) の部分だけでなく、 もしかしたら OS 自身も改良しないといけないかもしれない、と思っています。 けど、もちろん私はそんな能力も元気もないので、単なる夢で終りそうです。

最後に今回の講義に関して参考にした文献等を順不同で上げておきます。


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作成日: 07/15 2002
竹野茂治@新潟工科大学 (shige@iee.niit.ac.jp)