1 はじめに

本稿では、講義で証明を省略した、正規分布に従う独立な確率変数の 一次式が正規分布に従う、という定理の証明を行う。 また、それに必要な $e^{-x^2}$ の定積分についても、講義では証明を省略したが、 本稿で紹介しておく。

なお、統計や確率の専門的な書物では、通常特性関数や積率母関数などを 使って計算、証明をするようであるが ([2], [3])、 本稿では、計算は少し大変だが、より原始的な方法で計算する。

また、本稿では現代的な公理的確率論ではなく、古典的確率論の範疇で考える。

竹野茂治@新潟工科大学
2022-07-29