2.2 独立性

$(\Omega,r,(x_1,\ldots,x_n))$$n$ 次元離散分布、 $(\Omega_j,p_j,x_j)$ ($1\leq j\leq n$) をその周辺分布とする。 すべての $(\alpha_1,\ldots,\alpha_n)\in\Omega$ に対し
  $\displaystyle
\mathrm{Prob}\{(x_1,\ldots,x_n)=(\alpha_1,\ldots,\alpha_n)\}
=\mathrm{Prob}\{x_1=\alpha_1\}\times\cdots\times\mathrm{Prob}\{x_n=\alpha_n\}$ (6)

が成り立つとき、確率変数 $x_1,\ldots,x_n$ は「独立」であるという。

(6) は、

  $\displaystyle
r(\alpha_1,\ldots,\alpha_n)=p_1(\alpha_1)\times\cdots\times p_n(\alpha_n)$ (7)
と表すこともできる。

逆に、$n$ 個の確率分布 $(\Omega_j,p_j,x_j)$ に対して、 (7) で $n$ 次元確率関数 $r$ を定義すれば、 これは当然 (4),(5) を 満たすので、ひとつの $n$ 次元確率分布が決定し、 その元ではこの確率変数 $x_1,\ldots,x_n$ は独立になる。

つまり、確率変数 $x_1,\ldots,x_n$ の独立性は、 $n$ 次元確率分布 ($n$ 次元確率関数) の元で決まるものであり、 また $n$ 個の確率変数が独立となるような $n$ 次元確率分布は いつでも作ることができる。

竹野茂治@新潟工科大学
2022-07-28