8 最後に

本稿では、ケーリー・ハミルトンの公式にもとづいて行列の $n$ 乗を 求める方法について論じたが、 行列の $n$ 乗は、通常はむしろ固有値と行列の対角化、または ジョルダン標準形を用いて考察する方が標準的である。 なお、この固有値とは、本稿でも説明した固有方程式 $f_A(x)=0$ の解の ことである。

本稿のような方法は、線形代数の本でもあまり紹介されることはないので、 逆にそれなりに意味があるかもしれない。

竹野茂治@新潟工科大学
2023-11-27