1 はじめに

この講義で使用している線形代数の教科書 [1] には 書かれていないが、$N$ 次正方行列 $A$$N$$A^N$ は、 $E, A, A^2,\ldots,A^{N-1}$ の定数倍の和で表すことができる 「ケイリー・ハミルトンの公式」と呼ばれるものが知られている。

本稿ではその公式の紹介と、 その応用として行列の累乗の計算の簡略化について紹介する。 行列の累乗の計算は、行列の応用としてはそれなりに意味があるので、 その簡略化は有益である。

竹野茂治@新潟工科大学
2023-11-27