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4 $\infty $ への発散

ついでに、$\infty $ への発散

\begin{displaymath}
\lim_{n\rightarrow\infty} a_n = \infty
\end{displaymath}

も定義してみる。この場合は、
$n$ が大きくなるとき、$a_n$ の値は限りなく大きくなる
ということを意味していて、「限りなく大きくなる」とは 「大きくなる度合いに際限がない」「いくらでも大きくなる」 ということを意味する。例えば次のような数列は限りなく大きくなる。

\begin{displaymath}
1^2,2^2,3^2,\ldots,n^2,\ldots
\end{displaymath}

しかし、次のような数列は「限りなく大きく」はならない。 上の方の例は、だんだん大きくはなっているが、1 より大きくなることはないし、 また、下の方の例は、全部そろって大きくなっているわけではなく、飛び飛びに 大きくないものが含まれている。これらは「いくらでも大きくなる」とはいいがたい。

よって、「限りなく大きくなる」$\infty $ への発散は、次のように定義される。


定義 3


\begin{displaymath}
\lim_{n\rightarrow\infty} a_n = \infty
\end{displaymath}

とは、どんな正の数 $K$ ($>0$) を取っても、
$n>N$ ならば $a_n>K$
となるような $N$ を取ることができること、を意味する。



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竹野茂治@新潟工科大学
2006年3月31日