1 はじめに

講義では、教科書にある 2 乗、3 乗の展開の公式のほかに、 教科書には載っていない一般の $n$ 乗の展開公式である二項定理
  $\displaystyle
(a+b)^n = \sum_{k=0}^n{}_{n}C_{k}a^{n-k}b^k
= {}_{n}C_{0}a^n + {}_{n}C_{1}a^{n-1}b + {}_{n}C_{2}a^{n-2}b^2
+ \cdots + {}_{n}C_{n}b^n$ (1)
を紹介したが、本稿でその証明を紹介する。 また、因数分解の公式として、教科書には
  $\displaystyle
\left\{\begin{array}{ll}
a^2-b^2 &= (a-b)(a+b)\\
a^3-b^3 &= (a-b)(a^2+ab+b^2)\\
a^3+b^3 &= (a+b)(a^2-ab+b^2)
\end{array}\right.$ (2)
があがっていたが、その一般化として、 $a^n-b^n$, $a^n+b^n$ の因数分解についても考える。

竹野茂治@新潟工科大学
2023-05-12