1 はじめに

以前、[1] で、多項式の商である 有理関数のラプラス逆変換について紹介したが、 そこで一番厄介な形の標準形
$\displaystyle \frac{1}{(s^2+1)^{k+1}},\hspace{1zw}\frac{s}{(s^2+1)^{k+1}}
$
のラプラス逆変換については、 を紹介したが、3 項漸化式以外の方法はあまり簡単ではなく、 また一番ましな 3 項漸化式でも、一つの式で表現できない、 という難点があった。

一方、以前別な目的で、半奇数次 $(n+1/2)$ のベッセル関数、 いわゆる半ベッセル関数について考察したが[2]、 今回また上の形のラプラス逆変換のノートを作っているときに、 それが [2] で見た式に似ていることに気がついた。 それなら、漸化式でなくても一つの式で表現できそうなので、 その構造、導出などを含めてここで紹介する。

竹野茂治@新潟工科大学
2023-07-25