6 最後に

本稿では、[1] で紹介されているラプラス逆変換の 留数による計算法に別の説明を与え、その計算の具体例をいくつか紹介し、 最後にそれが適用できる範囲を示した。

こういう話は、他の工学的な本ではあまり見ることがないので、 本稿もそれなりに意味があるだろうと思うが、 具体例を見ると留数計算の方が優位なのは、 実数の 1 位の極のみを持つ場合にほぼ限定されそうなことが 少し残念であった。 このことからすると、留数計算をラプラス逆変換の計算に利用しようと思う人は そんなに出てこない気がする。

竹野茂治@新潟工科大学
2023-07-20