1 はじめに

多項式、三角関数、指数関数などの基本的な関数の和や積のラプラス変換は、 多項式の商である有理関数になる。 逆に、そのような有理関数のラプラス逆変換、 すなわちラプラス変換がそのような有理関数になるような関数は、 多項式、三角関数、指数関数の和や積で表わされる。

応用数理 A の講義で使用している教科書 [1] には、 具体的なラプラス逆変換の計算はいくつか紹介してあるが、 その計算の基本方針や原理などは書かれておらず、 説明が十分ではないので、 本稿では有理関数のラプラス逆変換の計算の基本的な方針について説明し、 計算量の少ない計算方法についても考察を行いたい。

竹野茂治@新潟工科大学
2008年3月26日