9 最後に

7 節、8 節が 本稿の主要部分で、 差分の式には本来微分計算を適用しづらいのであるが、 7 節、8 節ではいずれも 最大最小問題を考えるために微分を多用し、 それにより方程式の微分に関する構造、性質をうまく利用できていて、 そして話がうまく進んでいることがわかる。

特に 8 節では、計算する導関数に 毎回似た形の項が出てきたり、 $(1\pm\lambda_j/\mu)$ のようなもので割り切れる形になることなどは、 むしろきれいにできすぎていると感じる位である。

ただ、本稿は特に新しい結果を示してはいないので、 今のところ特に意味があるわけではない。 今後この手法が他の方程式、あるいはさらに微分に関する評価に 使えれば価値がでてくるかもしれないが、 今のところそれははわからない。

竹野茂治@新潟工科大学
2020-02-28