2 定義

まず、本稿で扱う錐体の意味を明確にしておく。

錐体とは、ある平面 $H$ 内に 連結な領域 $S$ を囲む交差のない閉曲線 $C$ があり、 この $S$ を底面として、$H$ 上にはない点 $\mathrm {P}$ を頂点とする立体を指す。 すなわち、$S$ 上の点と $\mathrm {P}$ を結ぶ線分全体からなる集合で、 $C$ 上の点と $\mathrm {P}$ を結ぶ線分全体からなる面を側面とし、 この側面と底面 $S$ で囲まれる立体である (図 1)。

図 1: 一般の錐体
\includegraphics[width=0.7\textwidth]{fig2-1.eps}

よって、$C$$\mathrm {P}$ を指定することで一つの錐体を決めることができる。 底面 $S$ は、$C$ によって平面内に容易に図を書くことができるから、 本稿で考察する展開図とは、もちろん側面の展開図のことである。

側面は、$C$ 上の点と $\mathrm {P}$ を結ぶ線分の集合であるので、 その一本の線分 (母線) に沿って切り開けば、 側面は平面上に描くことができる。 この切り開いた扇形状の図形を式で表すことを考える。

竹野茂治@新潟工科大学
2009年9月18日