4 cosjx が現れる場合
(6) の被積分関数の分子の
が
で表せる場合は、前節の と同様に
ディリクレ積分に帰着して値が求まるが、
が現れる場合はそうはいかない。
一般に は、
が奇数であれば の線形結合で、
が偶数であれば と 1 の線形結合で表わされる。
よって、 で が奇数の場合は (9) により
ディリクレ積分に帰着し、よってそれが有限値となることがわかるし、
また、 の場合
は、
- が奇数、 が奇数であれば の線形結合
- が奇数、 が偶数であれば の線形結合
- が偶数、 が奇数であれば の線形結合
- が偶数、 が偶数であれば の線形結合
で表されることになる。よって、 が偶数の場合は
ディリクレ積分に帰着し、 が奇数の場合は が
残ることになる。
ここで、
は、 の近くで積分は収束せず、
また
で有界となるように
としても、
となってやはり収束しない。
つまり、分子に が残る場合の積分には注意が必要である。
補題 1
- , に対し、
(
10)
- (
),
に対し、
(
11)
証明
1. に対して
とし、これを で特異性を持たないように変形すると
となって正の範囲での積分となり、さらに
となるが、この後ろの 2 項はいずれも
で なので、
となる。
2.
より
なので、
となるから、1. により、
が得られる。
この補題により、 が残る場合は、
その係数の和が 0 であれば計算できることになる。
以上により、 は、 が偶数の場合は の有理数倍、
が奇数の場合は の有理数倍の和の形となることが
期待される。
竹野茂治@新潟工科大学
2020-12-17