2 実際の確率と r とのずれ
以後、簡単のために RAND_MAX を と書くこととし、
rand() の値を意味する は、0 から までの整数値を一様にとる
確率変数であるとする。
この場合、 (
) である確率はすべて等しいことになる
ので、
|
(1) |
となる。
1 節で紹介した方法では、
となるとき 1 となるようにしているが、
この確率
がほぼ に等しいことが期待される。
以下、まず一般の負でない実数 に対して、確率
を の式であらわすことを考えてみる。
は実際には整数の値しか取らないので、
に等しい。ここで、
は、
以下の最大の整数を表わすものとし2、
例えば
,
となる。
よって、(1) より、
となる。この公式 (2) を用いれば は
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(3) |
となる。
ところで、
は定義、
あるいは図 1 のグラフより不等式
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(4) |
を満たすことがわかる。
図:
のグラフ
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(3), (4) より、 は
を満たすので、よって、 については
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(5) |
が成り立つ。 だから、 が十分大きければ
(5) の両端の値は十分 0 に近くなり、
よってそれなりに は に近いことになる。
竹野茂治@新潟工科大学
2007年5月31日