3 記号

1 平面内の剛体の運動は、各剛体の向きを示す $n$ 個の角を決めれば すべての状態が決定するので、 その $n$ 個の角が求めるべき未知関数となる。

剛体の棒には、上から順に $A_1$, $A_2$, ..., $A_n$ と名前をつけ、 各 $A_j$ の長さ、質量をそれぞれ $l_j$, $m_j$ とするが、 剛体棒の線密度を $\rho$ とすれば $m_j=\rho l_j$ となる。 鉛直下向きの方向に対して、$A_j$ が右側に回転した角を $\theta _j$ とし、 $A_j$ の中心 (= 重心) の位置ベクトルを $\mbox{\boldmath$r$}_j$, $A_j$$A_{j-1}$ のつなぎ目の位置ベクトルを $\mbox{\boldmath$\hat{r}$}_{j-1}$ と する (図 2)。

図 2: $l_j$, $\mbox{\boldmath $r$}_j$, $\mbox{\boldmath $\hat{r}$}_j$, $\theta _j$
\includegraphics[width=12cm]{pdl1-not.eps}

鉛直下向きから右に $\theta$ 回転させた単位ベクトルを $\mbox{\boldmath$p$}(\theta)$、 それをさらに $\pi/2$ 回転させたベクトルを $\mbox{\boldmath$q$}(\theta)$ とすると

\begin{displaymath}
\mbox{\boldmath$p$}(\theta) = (\sin\theta, -\cos\theta),
\hspace{1zw}
\mbox{\boldmath$q$}(\theta) = (\cos\theta, \sin\theta)
\end{displaymath}

であり、$A_1$ は原点からぶらさげるとすれば、 $A_j$ $\mbox{\boldmath$p$}(\theta_j)$ の方向を向くので、
\begin{displaymath}
\mbox{\boldmath$\hat{r}$}_0 = 0,
\hspace{1zw}\mbox{\boldmath$\hat{r}$}_j
= \sum_{k=1}^j l_k\mbox{\boldmath$p$}(\theta_k)\end{displaymath} (1)

となり、よって $\mbox{\boldmath$r$}_j$
\begin{displaymath}
\mbox{\boldmath$r$}_j=\mbox{\boldmath$\hat{r}$}_{j-1} + \fr...
...th$p$}(\theta_k)
+ \frac{l_j}{2}\mbox{\boldmath$p$}(\theta_j)\end{displaymath} (2)

となる。これで、全体が角 $\theta_1\sim\theta_n$ で表されることになる。

竹野茂治@新潟工科大学
2018-11-12