例えば、各カードに書かれている数字には規則性があるので、 そこから種がバレやすいとか、驚きが薄れやすい、ということが起こりやすい。 2 節に書いたように、 それは例えばカードに書く数字の並びを ランダムにすることで多少は改善するのであるが、 それでも 4 枚目 (もちろん何枚目に出すかもランダムにしてよい) のカードには 8 以上のすべての数字が書いてあるということは 割と見抜かれやすいし、 1 枚目のカードの奇数のみというのはわかりやすいのではないだろうか。
これらの規則性をわかりにくくするには、 別な数字との対応を用意しておいて、 規則的な形は内幕に隠してしまう、という手が考えられる。 簡単のため、カードを 1 枚減らして、 1 から 7 の数字と 3 枚のカードの場合で説明する。
この場合 2 節のようにすると、各カードの数字は
となるのであるが、客側に見せる表の数字と、 ゲームの実行者のみ知る内幕の数字を 例えば以下のように対応をつけておく:
1枚目 : 1, 3, 5, 7, 2枚目 : 2, 3, 6, 7, 3枚目 : 4, 5, 6, 7 (1)
内幕(裏) : 1 2 3 4 5 6 7 客側(表) : 5 3 1 7 2 4 6 (2)
この対応表を、ゲームのカードの裏側 (客の見えないところ) にでも書いておき、 1 枚目、2 枚目、3 枚目のカードの裏側には (1) をそのまま書き、 表側にはその各数字に対応する客側の数字を書く。 例えば、(2) の場合は以下のようになる:
そして、入っていると言われたカードの裏に書かれている数字を使っての計算、 すなわち裏の一番小さい数字の和の計算をして、 そして最終的に答えるときには、それに対応する客側の数字を言えばよい。
1枚目 : 5, 1, 2, 6, 2枚目 : 3, 1, 4, 6, 3枚目 : 7, 2, 4, 6 (3)
例えば客が覚えた数字が 2 の場合は、 客側の 1 枚目と 3 枚目に含まれているので、 その裏の計算である 1+4=5 を行う。 その 5 に対する客側の数字 2 が答えとなる。
この方法の場合、客側の数字の集合がランダムな数字になるので、 むしろポピュラーな数当ての原理を知っている人には 新鮮に感じられるかもしれない。
実はこの方法を使う場合は、 全部の数字の集合を見せてそこから選ばせるようにすれば、 別に 1 から 7 までの続きの数字でなくてもよく、 それどころか数字である必要すらなく、 文字や絵でも当てることができることになる。
竹野茂治@新潟工科大学