2 x の自然数乗の定積分
まずは
の自然数乗
(
: 自然数) の定積分
(5)
を考える。
以下の定理は、原始関数を使わなくてもリーマン積分に対して証明される。
命題 3
が閉区間
でリーマン積分可能で、
のとき、
が
のリーマン積分可能な奇関数のとき、
が
のリーマン積分可能な偶関数のとき、
この命題 3 により、
は、
に対する
の積分
(6)
だけ考えればよい。
実際、
が偶数の場合は
は偶関数なので、
の場合は、命題 3 により、
(7)
の場合は、
(8)
の場合は、
(9)
となってすべて
の場合に帰着される。奇関数の場合も同様である。
まず例として
の場合
を考えてみよう。
はもちろん連続関数だから、
命題 2 より分割は (4) を
満たせばどのように取ってもよいことになるが、ここでは
(10)
すなわち、分割は
等分とし、標本点は小区間の右端に取る。
この場合は
なので、
のときに
となって、
であれば極限の条件 (4) は
満たされる。
このとき、リーマン和
は、
なので、
(11)
となる。
は偶関数なので、
(7), (8), (9) および (11) により、いずれの場合も
(12)
となることがわかる。
一般の
の場合には、(10) と同じ等分割で
考えれば、そのリーマン和は
(13)
となるので、この極限が必要になる。この和を
の場合のような
ひとつの式で表すのは難しいが、
極限なら求めることができる。すなわち、
(14)
となることを証明できる。なお、これは
でも成立するので、
0 以上の整数
に対して帰納法で証明する。
では、(14) は
となるので (14) は成立する。
次に
とし、0 以上
未満の整数に対しては (14) が成り立つとしたときに、
の場合に (14) が成り立つことを示す。
今、
を
から
まで加える。
なお本稿では、二項係数
を
と書く。
その和は、
なので、
で割ると、
となるが、
のときに左辺は 1 に収束し、
右辺は最初の項以外は帰納法の仮定により
すべて 0 に収束する。よって、
となり、これで
の場合に (14) が示された
ことになって、0 以上のすべての整数
に
対して (14) が証明されたことになる。
さて、(14) により、(13) の極限は
となることがわかるので、これで
(15)
が区分求積法により示されたことになり、
また、(12) を導いた議論と同様にして、
(16)
が得られる。実際、
が偶数の場合は
の場合と全く同じで、
が奇数の場合は、
は奇関数で、
(15) の積分値は偶数乗だから、
の場合は
(17)
の場合は、
(18)
の場合は、
(19)
となって、いずれも (16) に一致する。
竹野茂治@新潟工科大学
2026-07-30