8 最後に

本稿では、[1] に続いて軸対称の曲面と 立体の重心の計算について考察した。特に新しい知見があるわけではないが、 円、球に関する例の場合、2 次元図形と 3 次元図形で式に違いがあることに 少し興味を感じた。

これは、実は次元に由来していて、例えば $g_c$ は、一般の $N$ 次元では、

\begin{displaymath}
g_c = \frac{NR}{N^2-1} 
\frac{\sin^{N-1}\alpha}{\displaystyle \int_0^\alpha\sin^{N-2}\theta d\theta}
\end{displaymath}

となる。この分母の積分は、部分積分すればわかるが、 $N$ が偶数か奇数かによって結果が変わり、偶数の場合には $\alpha$ が 直接現れ、奇数次元の場合は $\cos\alpha$ のみで表される式となる。

竹野茂治@新潟工科大学
2019-03-05