ある 2 チームのゲーム差が 1 というのは、 (勝数)(負数) (「貯金」と呼ばれる) が、 1 回直接対戦することで同じになる可能性がある状態を指す。 例えば、5 勝 2 敗 (貯金 3) のチーム A と 3 勝 2 敗 (貯金 1) のチーム B は、 直接対戦して B が A に勝てば 5 勝 3 敗と 4 勝 2 敗となり、 どちらのチームも貯金 2 となって並ぶから、この状態をゲーム差 1 と見るわけである。
すなわち A と B のゲーム差は、
ゲーム差は、勝率上位チームの貯金から勝率下位チームの貯金を 引いて計算することが通常で、負のゲーム差を考えることはないようである。 しかし、よく考えてみればわかるように、3 チーム以上のリーグ戦の場合は、 勝率による順位でゲーム差を計算すると負のゲーム差、 すなわち勝率と貯金の順位が逆点することが起こりうる。 それが起こる条件をまず考えてみよう。
今、A の勝数、負数をそれぞれ , 、 B の勝数、負数をそれぞれ , とし、 引き分けはないとする。3 チーム以上のリーグ戦の場合、 である保証はないことに注意する。
このとき、A, B の勝率は、それぞれ
(2)
(3)
和が一定の 2 正数の積は、その 2 数が等しいときに最大となるから、 (2) は と が近く、 と が離れていると起こりやすくなる。 よって例えば、, , とすると (2), (3) は同時に満たされる。 実際、
竹野茂治@新潟工科大学