初等的な計算しか用いていないので、 もちろん既に知られている結果だと思うが、 それが確認できたのは個人的には良かった。
なお、変分問題、すなわち汎関数を最小にする関数を求める問題には 今回の の場合のように解が求まらない (存在しない) 場合もあれば、 [1] の最速降下線問題の下に潜る場合のように、 オイラー方程式の解としては一意には決まらない場合もある。 中には汎関数の値をいくらでも小さくする関数が存在し、 しかしその極限は、不連続とか境界条件を満たさないなどの理由で 解としては認められないものになってしまい、 解がありそうでない、といった場合もよくある。
ちまたに流布する変分問題に対する記事では、 オイラー方程式を導いて、単純にその微分方程式を解いて終わり、 というものを良く見るが、 本来はその解が元の問題に対して適切なのかどうかを 正しく検証する必要があると思う。 是非そのあたりも忘れないでもらいたいと思う。
竹野茂治@新潟工科大学